2004年08月25日
中国南通市が世界6大都市群で交流セミナー
「蘇通大橋」の工事進行で、沿海交通の要所に発展
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:帝人、東レ、富士通、三菱レイヨン

 上海経済圏の副都心になりつつある中国江蘇省の南通市は9月25日から27日まで、同市で世界6大都市群の第一回交流セミナーを開く。これは「蘇通大橋」の上部橋梁が着工され、2008〜09年に完成、中国を代表する珠海経済圏(華南)、長江経済圏(華東)、環渤海経済圏(華北)が高速道路でつながる見通しとなったため米国のボストンを中心とする大西洋沿岸都市群、カナダ・米国五大湖都市群、日本の東京・大阪・名古屋の都市群、欧州のライン川両岸の都市群、英国のロンドンを中心とする都市群、上海を中心とする都市群で交流、相互の発展を目ざそうとするもの。いずれの都市群も高速道路網、鉄道、運河が発展し、淡水資源が豊富で、気候がよく、労働力が集中している点が特徴。
 
 上海周辺の副都心は南通、蘇州、浙江省の寧波、杭州で構成されるが、南通市は交通の要所で、中国の近代産業都市の発祥の地。治安がよく電力や水の不安がない点が強調されている。
 
 市には南京−啓東、塩城−南通、上海−南京、蘇州−嘉興−杭州などの高速道路が行きかっている。市の経済開発区は20年の歴史を持ち、累計3,300件を超える外資が進出、日系も東レ、帝人、三菱レイヨン、大日本インキ、新日鐵、王子製紙、富士通などが626件の投資を行っている。
 
 蘇通大橋は「蘇通長江大橋」とも呼ばれる。南の上海から長江をまたいで南通に至るわけだが、その完成で現在の所要約7時間が、約1時間に縮まる。北には南通−塩城までの塩南高速道路が2005年末に完成。塩城−連雲港は06年中に開通する。連雲港から日照市、青島市はすでに煙台市までつながっている。
 
 東には南通から蘇州につながり、蘇州から嘉興−寧波−温州−福州−夏門−深せん−広州−海口−海南島・三亜はほぼでき上がっている。

 上海市は2010年に世界万博を「都市」のテーマで打ち上げることになっており、南通市の世界6大都市群の交流セミナーは、この万博を大きく盛り上げることになりそうである。