2004年08月30日
トヨタ、バイオプラの実証プラントを完成
サトウキビを原料に9月早々に稼動開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ、トヨタ自動車

 トヨタ自動車はこのほど愛知県広瀬工場内にバイオプラスチック「トヨタ エコプラスチック」の実証プラントを建設し、試運転を開始した。9月早々から本操業に入る予定。
 
 同社が今回建設したのは、確立済みの同社の技術をベースにバイオプラスチック(ポリ乳酸)を量産化していく場合どのていどのコストで工業化していけるか、またどんな品質のものを安定的に生産していけるかといったことを確認・検証していくためのもの。設備規模はポリ乳酸の生産能力ベースで年1000トン。建設費は約23億円であった。
 
同社では、この設備を使ってサトウキビを原料にした乳酸の発酵・精製からポリ乳酸の重合(高分子化)までの全ての工程にわたって現在の技術を入念にチェックし、量産化レベルのものに引き上げていきたい考え。2010年には年産5万トン能力の設備を建設して本格企業化に踏み切りたいとしている。
 同社は先に独自の研究で耐久性や耐熱性に優れたバイオプラスチック「トヨタ エコプラスチック」の開発に成功、東レ、アラコ、ジプロ等との共同で同プラスチックによるスペアタイヤカバーやフロアマットも開発して「ラウム」や「プリウス」に採用している。
 
しかし今後は、バイオプラスチックの持つ優れた環境適合性をより広範な分野で生かしていくため自動車部材以外の用途の開拓にも多くの精力を投入していく考え。食品包装材、肥料袋、衣料、カーペット、梱包バンド--等の分野に安定基盤を構築していきたい意向。ついては今回の実証プラントによって技術のレベルアップをどこまで実現していくか注目される。