2004年09月03日
PSの第3次値上げ交渉が決着
1日出荷分以降、相次ぎ新価格に切り替え
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:PSジャパン

 PSジャパンをはじめとしたポリスチレン(PS)各社と、発泡シートメーカーやフォ−ムスチレン(FS)メーカーなど需要家各社との間で進められていた第3次価格交渉が今週明けをもって全面的に決着、1日出荷分以降、相次いで新価格への切り替えが始まっている。
 
 これは、当面の原料の安定確保を最優先することにした需要家各社がPS各社の要請を全面的に受け入れる決断を下したことによるもの。今回の上げ幅は、PSジャパンの場合を例にとるとキログラム25円となっている。今年に入ってから3回トータルで同41円引き上げられたことになる。他のPSメーカーの場合もほぼ同じ幅の値上げになった模様。
 
 PS各社の今回の第3次値上げも、原料スチレンモノマー(SM)の価格がベンゼンならびにナフサの異例の高騰にともなって急上昇してきたことに対応してのもの。PS全体の需給が内外ともにタイト化してきたことが大きく作用して、汎用樹脂の中では先頭を切るかたちでの第3次分の決着となった。
 ただし、PSメーカー側は「SMの価格の上昇率が当初の予想を大きく上回るものとなったので原料アップ分の製品価格への転嫁は十分できていない」(荒浪淳・PSジャパン社長など)としており、採算改善が狙い通りには進んでいない点を強調している。