2004年09月07日
中国・天津市、経済急発展で開発区の拡大急ぐ
TEDA西区、48平方キロを来年中に完成へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三洋電機、田辺製薬、トヨタ自動車、富士通

 中国の天津市は経済が急発展するなか、産業用地の拡大を急いでいるが、天津市経済開発区(TEDA)の第二地区として昨年着工したTEDA西区の造成に拍車をかけることになった。同西区は06年の完成を目ざしていたが、同西区への進出を目ざす外資企業の要請が強く、できれば05年中にも工業用地として使用可能な状況にしたいとしている。
 
 同西区は渤海湾に面した既存のTEDAから西の天津市側に45キロほど入ったところにあり、天津空港にも20キロ弱と近く、北京空港からは約120キロの距離。天津港には約50キロ。
 
 TEDAは1984年に中国国務院により批准された国家レベルの開発区。総面積33平方キロで、このほかTEDA化学工業区(30平方キロ)、TEDA逸仙科学工業園(10平方キロ)、TEDA微(弱)電工業区(2.3平方キロ)、天津輸出加工区(2.5平方キロ)を抱え、総面積約78平方キロに及ぶ。また、天津大学科学技術園(33万平方キロ)も完成している。
 
 TEDAには昨年、トヨタ自動車が進出して、世界の注目をあびたが、当初は米国モトローラ、韓国サムソンに代表される電子通信企業が進出した。
 
 業種別比率は電子通信51.52%、機械19.21%、食品加工13.79%、化学7.09%、医療薬品4.73%といったところ。
 国別では米国45.06%、香港19.47%、韓国13.47%、日本10.30%、英領バージン諸島9.19%、台湾9.18%など。次いでシンガポール、スイス、デンマーク、オランダが続いている。
 
 米国からモトローラ、コカコーラ、AT&A、ATSコンピュータ、アメリカンスタンダード、ペプシコーラ、ルーセントテクノロジー、ハネウエル、エマソン電気など。
 日本からトヨタ自動車、ヤマハ、関西ペイント、矢崎総業、スタンレー電気、松下電子部品、富士通テン、デンソー、ローム、三洋電機、田辺製薬、大塚製薬、東海理化、伊藤忠など1,340社が出ている。
 
 TEDA西区は面積48平方キロとTEDAの33平方キロより広い。今後、誘致する企業は電子通信、電機、自動車、バイオ、食品など現在のTEDAの延長線上にあるという。
 
 天津市には故・周恩来首相が卒業した南開大学をはじめ大学が29校、科学研究所150か所、国有企業1万400社がある。昨年の貿易額は182億ドル(輸出95億ドル)。
 
 天津市全体の面積は1万1,920平方キロ、人口1,000万人、02年のGDPが2,022億元(1元は13円)。市では北京、大連などと華北地区の中心的な経済園を構成する一方、国際経済交流についても主導的な立ち場に立つ考えである。