2004年09月29日
PETボトルの回収率、事業系含めて61.0%に
進むリサイクル、ボトルtoボトルもスタート
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:PETボトルリサイクル推進協議会

 PETボトルメーカー、原料樹脂メーカー、清涼飲料メーカーなどPETボトル関連の業界団体が同ボトルのリサイクルを共同で推進していくために設立している「PETボトルリサイクル推進協議会」は29日記者会見し、最近発刊した年次報告書「PETボトルリサイクル年次報告書20004年度版」をベースに同ボトルのリサイクルの現状と今後の方針の概要を明らかにした。

 それによると、03年度における同ボトルの回収率は、事業系回収量を含めると前年度の実績を7.6ポイント上回って61.0%に達した。米国の19.6%、欧州の30.0%を大きく上回る率となっている。回収数量は26万7,000トンで、うち市町村による分別収集量が21万2,000トン、事業系回収量が5万5,000トンとなっている。事業系は前年度に比べて2万トン増えている。市町村回収率は48.5%で、前年度を2.9ポイント上回っている。分別収集を実施している市町村数は全体の91.6%に当たる2891に達している。

 同協議会では、今年度も引き続き60%以上の回収率を目指していく考え。市町村回収率は50%以上を目標に掲げていく。今年4月から使用済みPETボトルを化学分解法によってボトル用樹脂に戻すいわゆるボトルtoボトルのリサイクルが本格的にスタートしたこともあって昨年度以上のリサイクル率の達成は十分可能との感触を得ている様子。

 長期目標としては、10年後の2014年度の回収率80%を目指すとしている。

 また、同協議会では、2000年度から同ボトルの軽量化にも業界を挙げて取り組んでおり、昨年度末までに合計10万トンの軽量化を実現している。1本当たりの重量を軽くしているわけで、例えば500ミリリットルボトルの場合、従来の32グラムを23グラムに、また、2リットルボトルでは63グラムを42グラムに減量するのに成功しているという。

 こうした努力もあって、03年度末における同ボトルの未確認量(生産量と収集量の差)はピーク時の99年度の25万6,000トンから17万トンに減っているとしている。