2004年10月12日
WTO協定違反の「米国1916年法」拒絶法案、閣議決定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:なし

 経産省は12日、WTO違反が明白な米国の「1916年アンチ・ダンピング法」によって損害を受けた日本企業を保護するための法案「米国1916年アンチ・ダンピング法に基づき生じた利益の返還等に関する特別措置法案」(損害回復法)が同日閣議決定したと発表した。今臨時国会に提出し、成立を図る。

 米国の1916年アンチ・ダンピング法とは、貿易上のダンピング行為によって被害を受けた「私人」が、企業に対してダンピングの意図をもっていたことことを立証できれば、3倍の賠償金や、訴訟にかかった弁護士費用を請求することができるという法律。
 
 WTO協定は「政府が国内産業に実質的な損害があったことを立証した場合、ダンピングマージンと同等(1倍)の報復関税を発動することができる」と規定しており、米国の1916年法は明らかにWTO協定に違反した不当な法律ということになる。
 
 現実問題として、日本の新聞輪転機メーカーである東京機械製作所が、米国アイオワ州で同じ輪転機メーカーのゴス社から同法によって提訴され、同州連邦裁判所から40億円の損害賠償支払いを命じる一審判決を受けて現在控訴中である。結果によっては、新たな訴訟が提起される可能性もあり、米国でも同裁判の行方が注目されているという。

 しかし、同法のWTO協定違反は、2000年9月に日本及びEUの提訴によってすでに確定しており、米国の違反措置是正の履行期限(2001年12月末)も過ぎている。

 12日閣議決定した損害回復法案は(1)1916年法に基づく訴訟の被告として賠償義務を負ったわが国企業は、原告の米国企業に対し、当該訴訟によって被った損害の回復を請求する(損害回復請求権)ことができる(2)1916年法に基づく米国裁判所の判決について、わが国における効力を否定する(米国判決の承認・執行の拒絶)などを定めており、日本企業に訴え返すことができる内容となっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1012keisansyo.TIF