2001年10月30日
住友化学・住友製薬両社、大分工場の医薬品関連設備増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友化学、住友製薬

 住友化学、住友製薬の両社は30日、住友製薬の医薬品販売の伸長や国際的GMPに対応するため、住友化学大分工場内に医薬品原体の製造設備を新設するとともに、現有製造設備をカルバペネム系抗生物質メロペネム(商品名:メロペン)の原体製造設備として専用化し、あわせてメロペネム製剤工場を新設すると発表した。
 
 住友製薬は、これまで「アムロジン錠」(高血圧症・狭心症治療薬)、「セディール錠」(セロトニン作動性抗不安薬)、「メロペン点滴用」などの主要製品について住友化学大分工場から原体供給を受け、住友製薬茨木工場で製剤化してきた。
 
 しかし、住友化学大分工場の医薬品原体製造設備は、住友製薬の国内外での販売の伸長や新製品の上市によって、フル稼働中で、新製品や治験用サンプルの製造余力がない。このため、住友化学では、医薬品原体製造設備を新たに建設、これに合わせ現有の医薬品原体製造設備をメロペネムの原体製造設備として専用化する。また、住友製薬は、効率的な生産体制を構築するため同工場内にメロペネム製剤工場を新設することにした。

 医薬品の製造設備に関するGMP規制は今後国際調和が加速される方向にある。このため新原体製造設備、メロペネム製剤工場ともに国際的GMPに対応した設備とする。
 
 管理運営面でも、厳格化するGMP に対応するため、大分工場では医薬品原体から製剤の製造まで一貫した管理運営を住友製薬の責任で行う体制をとることにした。

 なお、設備投資額では両社合わせて約100 億円、新原体製造設備は来年春着工の予定だが、メロペネム原体生産設備専用化のための工事は先行して9月から開始している。
 
 メロペネム製剤工場は、来年夏着工。それぞれ完成は2003 年春および同年秋ごろを予定している。