2004年10月22日
パラキシレンの価格、11月は1,000ドルの大台超え
10月比75ドルアップの1,015ドルで交渉が決着
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学

 新日本石油化学が大手需要家との間で進めていたパラキシレン(PX)の11月の価格交渉は、トン当たり1,050ドルとすることで決着した。10月の価格は前月に対して同50ドルの値上げとなったが、11月はそれをさらに同75ドル上回ることになる。前年同月に比べると同380ドル(59.8%)の値上がりである。
 
 当初同社では、原油価格の続騰やPXのスポット相場の上昇を睨んで同100ドルの値上げを打ち出していた。しかし、需要家各社の強い反発を受けて上げ幅を縮小したもの。
 
 PXの需要は、中国におけるポリエステル冬物繊維の生産の最盛期入りもあってPTAをはじめとした全ての分野で依然として順調な伸びを続けている。PTAの需給も極めてタイトな状態にあり、このため最近の中国向けスポット相場はCFR同900ドル近くまで上昇、また中国国内のポリエステルチップの価格も同1万2,000RMBに迫りつつある。
 
 新日石化学では、今後もPXの需要は中国をはじめとしたアジア各地のポリエステル繊維の需要の拡大を支えにアジア地域全域で着実な伸びを遂げ、それに伴い需給の逼迫状態がさらに長期化すると予想している。