2004年10月25日
昭和電工、独自に高出力の青色LEDチップ生産へ
日亜化学、豊田合成などの特許に抵触せず、05年から月3,000万個
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工、豊田合成、日亜化学

 昭和電工(03-5470-3235)は、市場最高級の高出力をもつ窒化ガリウム(GaN)系青色LED(発光ダイオード)チップの開発に成功、市場に参入することになったと25日、発表した。
 
 青色LEDは携帯電話、屋外ディスプレイ、照明、車載用などに需要が伸びているが、同社では、千葉工場に建設中のGaN系青色LED設備(月産3,000万個)で11月からサンプル出荷を開始、08年には200億円規模(目標月3億個)の事業にしたいとしている。
 
 この青色チップは同社の独自のエピタキシャルウェーハ構造(化合物半導体の技術)と
チップ製造(ハードディスクの技術)プロセスを確立したことにより商品化に成功したもので、フリップチップ構造で12mWの市場最高級の出力を達成したとしている。

 フリップチップとはLEDチップの上面(エピ面)側から両電極を取り、天地をひっくり返した状態で実装するタイプのチップ。発光面が下面にある従来の基板を透明化することで全面にわたって光を取り出せる。反射機構をつけ加えることで、さらに光の取り出し効率を高めることができる。
 
 また、GaN成長のプロセスで低温バッファ層の形成(600℃)が必要だった既存法にたいし、1,160℃の高温でサファイヤ基板上の膜の形成ができ、日亜化学や豊田合成の製法とはまったく異なる技術を確立したとしている。
 
 高出力を達成したことで、同社は車載用ランプ、ヘッドライトなどの照明分野も開拓する予定で当面50~60ルーメンの明るさだが、100ルーメンも視野に入れているもよう。またすでに赤色、緑色のLEDも手がけているが、紫色も手がけたい意向である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/1025sdk.doc