2004年11月11日
東セロ、機能性フィルムの増設を発表
シリコーンコート用クリーンコーターを5割増
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東セロ

 東セロは10日、シリコーンコートフィルム(SCF)の製造設備の増設に着手したと発表した。同社茨城工場内に年6,000万平方メートル能力のシリコーンコート用クリーンコーターとクリーンルーム並びに付帯設備を設置する。完工は05年9月の予定。投資額は約20億円となる見込み。
 
 これによって同社のSCFの生産能力は5割増えて年1億8,000万平方メートルとなる。SCFはPETフィルムにシリコーンをコート(塗布)した高剥離性フィルムで、セラミックコンデンサーや液晶の製造工程向けを中心に需要が急拡大中。同社は2000年12月に設備能力を4倍増、最大消費分野であるセラミックコンデンサー向けでは業界トップの地位を維持しているが、既存の2系列がフル稼働入りし、さらに今後も同分野を中心に需要の拡大が確実視されることから3号機を増設することにしたもの。
 セラミックコンデンサーは、パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、DVDなどの電子機器に大量に使用されており、今後も年率10%程度の成長が見込まれている。このため同社では、性能の一層の向上などによってCSFを同社の産業用機能性フィルム群のコア製品として育成・強化していく考え。
 現在同社が企業化している産業用機能性フィルムの主な品種としては、CSFのほかマスクペリクル、特殊ポリオレフィンフィルム(TPXフィルム)、マスキングフィルム、熱接着性フィルム--等が挙げられる。いずれも順調な伸びを遂げていて同社の業績向上に大きく寄与している。同社では、これら機能性フィルムの育成・強化を当面の最重要経営課題に掲げており、売上げ構成比率を06年度には現在の20%から25%に引き上げていく考え。