2004年11月12日
江蘇省常州市がファインケミカル、電子産業を重視
生物医薬、新型材料なども積極的に育成へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:東芝、富士通、ブリヂストン、丸紅、三井金属

 中国江蘇省の常州市から徐建明市長を団長とする経済代表団30名が来日、11日に東京・港区のホテルオークラで投資環境説明会を行った。
 
 徐団長は「常州市は北側が長江、南側が太湖に接し、国家一類級の国家開放埠頭を持つ。上海から163キロ、南京まで103キロ、長江デルタのほぼ中央に位置している。03年の国内総生産(GDP)は対前年比14.5%増の900億元、1人当たりのGDPは3,150ドル(人口342万人、面積約4.375平方キロ)。工業基盤が良好で従来の四大支柱産業(工業用機械車両及び部品製造、送電変電設備の製造、農業機械、新型紡織服装)に加え、現在、三大新興産業として電子情報設備製造とソフトウェア開発、生物医薬とファインケミカル、新型材料の発展に力を入れている。上海、蘇州などに比べ人材が豊富で賃金も安い」など大要以下のように語った。

 市には国家級の経済技術開発区が1つ(ハイテク産業開発区)と9つの開発区がある。国内企業を含めて約2万社が立地しているが、外資系は約3,000社で日本企業は275社(累計4.1億ドルを投資)。東芝、富士通、日立、沖電気、ブリヂストン、小松製作所、富士重工、三菱電機、丸紅、伊藤忠などが進出している。
 
 日鉱金属、三井金属、地元資本の合弁会社は、直径8ミリの荒引き銅線生産で成功、2.4ミリも手がけている。また東芝と三菱電機の合弁会社は変圧器の生産が軌道にのっている。さらに沖電気も外資を優遇する中国のソフト産業重点育成方針にそって急成長している。
 
 上海の人件費高騰、蘇州、無錫の観光優先の傾向などに対し、労働者が定着し、インフラなどのコストも安い。機械生産額は江蘇省の第1位、化学工業は第3位、プラスチック工業は中国第2位。電子情報製品は中国のトップ10に入る。