2005年01月31日
急発展の江蘇省呉江市が日系企業誘致、長江デルタの交通の要所
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:NEC、信越ポリマー、古河電工

 長江(揚子江)デルタの経済発展が加速している。蘇州、無錫、杭州の3大都市に代表されるこのデルタ地域は、電子情報、アパレル、新素材、新建材生産の代表地だが、このところ自動車部品、金型などの生産にも力を入れている。こうしたなかで、上海から蘇州、上海から杭州への中間点にある江蘇省呉江市が、地理的な利点を生かして効率的な成長を続けている。
 
 呉江市は総面積1,176平方キロ、人口78万人の中国では中規模の都市で、成長性の面では上海の昆山市と比較されているが、交通の面では嘉興市を通して杭州湾、さらには寧波市にも通じる道路網を持っている。このため、日系企業の進出が相次いでいる状況。
 
 総生産額の伸びでみると、市のGDPは2000年の181億元から02年には235億元、04年には341億元と5年間で2倍近い。市街地の1人当たりGDPは4,000ドルを超えているのである。
 
 市は上海に隣接した経済区、光ファイバーケーブル産業区、シルク紡績服装産業区、経済開発区を持つが、最も力を入れているのが95年から建設をはじめた経済開発区。企画面積80平方キロで、これまでに30平方キロが完成した。
 
 日本からは信越ポリマー、日立グループ、ミツミ電機、古河電工、フジクラ、アシックス、日本航空電子、NEC-トーキン、マブチモーターなど50社強が進出している。市全体では台湾、香港、欧米などから約400社(日系は100社)が参加。
 
 この開発区には通関加工貿易管理区、自動車部品および金型の工業団地、そして科技創業園、日本工業団地などもある。呉江市は千葉市、石川県内灘町と友好関係を結んでいる。
 
 呉江市の日本駐在事務所:千葉市美浜区中瀬2-6 WBG、マリブイースト14F23号(TEL:043-297-3385)