2005年02月04日
アジアで引き続きエチレン装置がトラブルで運休
オレフィン相場、各地で急騰の気配
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:その他

 アジア地域で2月に入ってもエチレンプラントのメカニカル・トラブルが相次いでいる。シンガポールやマレーシアのトラブルが解消して息つくひまもなく、台湾とタイでも前後して
小トラブルが発生して2基が運休している。
 
 大手商社が現地でキャッチした情報によると、2月に入って運休したエチレンプラントは、台湾・CPCの年産23万トン能力の第3号機と、タイ・NPCの同43万5,000トン能力装置。コンプレッサーの故障によるものと見られている。ともに2日に停止しており、復旧はNPCのプラントが来週末、CPCの装置が今月中旬となる見通し。いずれも短期間の運休で済みそうだが、1月にマレーシアとシンガポールで大型プラントが運休してオレフィンの供給がショートしたこと、タイ・TOCが増設した同30万トン設備の本稼動開始がエタンガスのセパレーターの完成の遅れによって大幅に遅延していること、さらにはシェルによる全世界的なアロケーション(15%カット)が長期化して4月中旬まで続く公算が濃厚となってきていること等によって、アジア地域全体のオレフィンの需給が一段と逼迫しているときだけに、市場におよぼす影響は小さくないと見られる。今月から6月末までの間は、タイ、台湾、日本の各地で春の定修が集中的に実施される予定となっているのでなおさらだ。
 
 このため、アジア地域におけるオレフィンのスポット相場は急ピッチで上昇する気配を示している。直近の取り引き価格はエチレンがCFRトン当たり1,100ドル、プロピレンが1,000ドル弱となっている。旧正月明けにはさらにアップする見通し。