2005年03月08日
大日本インキの子会社、独自の「酵母処理システム」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業

 大日本インキ化学工業は8日、水処理や土壌調査などの子会社、大日本インキ環境エンジニアリング(本社:東京都千代田区、藤井圭一社長)が、酵母を使った排水処理システムを開発したと発表した。
 
 同社はこれまで、独立行政法人酒類総合研究所と共同で、各種の酵母を使い排水処理実験を行ってきた。今回開発したのは、通常の活性汚泥法では処理不可能な高濃度の排水処理システムで、活性汚泥法ではBOD(生物化学的酸素要求量)3,000ミリグラム/リットルが限界とされてきたのに対し、新システムは、BODで10,000ミリグラム、塩濃度では80,000ミリグラム/リットルまで処理可能なことを確認した。
 
 高濃度の有機物、食塩、油分という難分解物質を含む排水を、希釈などの前処理を経ずにそのまま処理できること、酵母は後段の活性汚泥で溶菌捕食され、返送汚泥は酵母培養の窒素とリン源として消費されるため、余剰汚泥の発生量が少ないなど、多くの利点をもっている。
 
 同社は現在、汚泥減容化システム、浮遊担体活性汚泥システムなどを上市しているが、今後は食品工場や化学工場を対象に特別プロジェクトチームを編成し、酵母処理システム事業を本格展開する。当面、年間5億円以上の受注を目指す。

【大日本インキ環境エンジニアリング株式会社の概要】
◇本社:東京都千代田区外神田2‐16‐2 第2ディックビル4階
◇代表者:代表取締役社長 藤井 圭一
◇事業内容:水処理施設の設計・施工および運転管理サービス、土壌調査
◇資本金:3.5億円
◇年間売上高:約20億円
◇主要株主:大日本インキ化学工業が67.5%を所有
◇URL: http://www.dic-eco-engin.co.jp/

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1110244211.pdf