2005年03月10日
マラリア防圧コンサートが12日にダカールで開幕
国連基金が企画、住友化学が主要スポンサーに
【カテゴリー】:海外(行政/団体、環境/安全)
【関連企業・団体】:住友化学

 国連基金が企画し、住友化学が主要スポンサーとして協力する「アフリカライブ2005 ロールバックマラリヤコンサート」がセネガルのダカールで12日(日本時間も同じ)に開幕する。
 
 同コンサートは、世界全体で年間3億人が発症し100万人が亡くなるといわれるマラリアの防圧のために世界保健機関(WHO)が強力に推進しているキャンペーン「ロール・バック・マラリア・キャンペーン」の一環として開催されるもの。12日、13の2日間に合計16時間を費やすビッグコンサートで、ユッスー・ンドゥールをはじめとした著名なミュージシャン多数が出演、歌を通じてマラリアの防圧の重要性を世界全体に強く訴えるとともに、具体的な対策として蚊帳の利用が大切な点もアピールする。その模様はアフリカ各国や欧州で広く放映され、視聴者はおよそ4億5,000万人に達すると予想されている。
 
 マラリヤはその大部分がアフリカで発生、アフリカでは特に5歳以下の多くの子供が毎年命を落としているといわれる。「ロール・バック・マラリヤ・キャンペーン」は、そうしたマラリヤ犠牲者の数を2010年までに現在の50%に減らすことを目標に掲げてWHOが世界規模で展開している活動。
 WHOでは、狙いの実現にはマラリヤを媒介する蚊から身体を守る蚊帳の普及が不可欠と判断、蚊の侵入に対する防御機能が高くかつ長寿命の蚊帳の利用促進に精力的に取り組んでいるところ。こうした中でWHOが注目したのは、住友化学が独自の技術によって開発した高性能・長寿命タイプの蚊帳「オリセットネット」。これはポリエチレンコンパウンドに防虫剤を含侵させて製品化したもので、防除効果が高いだけでなく、洗濯しても有効成分がにじみ出てきて効果が長期にわたって持続する点が大きな強みとされる。同社ではWHOやユニセフの要請に応じて01年からアフリカに供給を開始、さらに03年9月には同じくWHOの要請を受けて同製品の製造技術を無償でタンザニアの蚊帳メーカーに供与して、現地における量産体制を確立して今日に至っている。今回のコンサートへの参加はこうした経緯を踏まえてのもので、同社では今後もマラリア防圧のための関係機関の活動に幅広く参画していく考え。