2005年03月11日
住友化学「防虫剤入りの蚊帳」 生産体制4倍増へ
マラリア防圧に効果、WTO活動に積極的に協力
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は11日、防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」の生産能力を、現有年産500万張りから2,000万張りに4倍増すると発表した。高い防虫効果からマラリアの予防に有効として、WHO(世界保健機関)などの国際機関が普及に力を入れている。同社も国際社会への貢献につながるとして、供給能力を拡大することにした。
 
 増産計画は10日(現地時間)、セネガルのダカールで開催された、国際基金主催の記者会見の席上、同社の大庭成弘専務が明らかにした。国連基金はマラリア防圧キャンペーンの一つとして同地で「アフリカライブ2005 ロール・バック・マラリアコンサート」を開催する。記者会見はこれに先立ち現地で行われた。
 
 「オリセットネット」は、ポリエチレンコンパウンドに防虫剤を練り込み、製品化したもので、防虫効果に優れ、洗濯して効果が長期間(5年ていど)持続する特徴がある。
 
 マラリアは、毎年世界全体で3億人が感染し、5歳以下の子供を中心に100万人以上が死亡している深刻な疫病のの一つ。マラリヤの防圧には「オリセットネット」が経済上からも有効だとして、WHOからは同社に対し量産体制を整備するよう要請があった。これを受けて同社は03年にタンザニアの蚊帳メーカーのAtoZ TextileMills社に製造技術を無償供与し、現地での量産化に踏み切った。現在同製品は、WHOやUNICEFを通してアフリカ各国に供給されている。
 
 同社では、今後もマラリア防圧への取り組みを通して、アフリカ開発支援に積極的に貢献していきたいとしている。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1110506674.pdf