| 2005年03月14日 |
| 住友化学の新型PE、市場開拓が進展 |
| クリーン性と易加工性が人気呼ぶ |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学の新型ポリエチレン(商品名「エクセレンGMH」)の市場開拓に加速がついてきた。同樹脂特有のクリーン性と易加工性がユーザーの間で広く知られはじめてきたことによるもの。押し出し成形品から真空成型品や発泡成型品に至るまでの多種多様の分野の成形加工メーカーやエンドユーザー筋から活発な引き合いと注文が寄せられている。このため同社では、5〜6月には本格的な生産・販売活動をスタートさせたいとしている。 同社が今春中に本格企業化開始を目指す「エクセレンGMH」は、同社が新たに開発したメタロセン触媒と気相重合技術との組み合わせによって製造される新タイプの直鎖状低密度ポリエチレン。 酸化防止剤など添加剤を使用していないため製品がクリーンなこと、低温加工ができるので加工時における電力費の節減と生産性の向上が同時に図れること--の2点が同樹脂の持つ大きな特徴という。具体的には、無臭・無味の製品が得られること、黒点やいわゆる“なみだ目”と称される加工不良の発生の心配がないこと、従来のPEの180〜230度Cを大幅に下回る150度C前後の低温での製膜が可能となるので省エネと生産速度の引き上げが実現できること--といった点が従来のポリエチレンにない大きな強みとされる。ちなみに、商品名のGMHのGはグリーン、Mはマテリアル、Hはハイブリッドをそれぞれ意味するとのこと。 現在は、千葉の年産10万トン能力の設備で同樹脂と既存のメタロセンPEの両品種を切り替え生産中。今後は、生産の主眼を「エキセレンGMH」に置いていくことになる。市場開拓に当たっては、自動車部品やIT関連部品等の包装や軟質構造材等を中心に、既存のポリエチレンでは掘り起こせなかった同樹脂固有の新たな領域を切り開いていく考え。また08年には、サウジアラビア・ラービグでL-LDPEやHDPEとともに同樹脂も工業化する計画。設備規模は25万トンを予定している。 |