2005年04月12日
EPSのリサイクル率、04年は69.3%に
前年を3.7ポイント上回り、目標を1年早くクリア
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、実績/統計)
【関連企業・団体】:その他

 発泡スチロール再資源化協会(JEPSRA)の小野恵造会長(積水化成品工業社長)は12日に記者会見し、04年における発泡スチロール(EPS)のリサイクル状況と同協会の活動概要を明らかにした。
 
 それによると、04年のEPSのリサイクル率は前年の実績を3.7ポイント上回って69.3%に達した。うちマテリアル・リサイクル(MR)のリサイクル率は同1.7ポイント増の41%、自治体を中心とした燃焼による熱エネルギー利用のサーマル・リサイクル(TR)のリサイクル率は同2%増の28.3%となっている。
 同協会では、このうちのMRについては01年に作成した「第3次リサイクルプラン」の中で05年のリサイクル率を40%にするとの目標を設定していたが、実際には1年早く目標をクリアできた。TRを含めたリサイクル率の目標は70%となっているが、同会長は「トータルでも05年に目標をクリアできる確かな見通しがついている」と今年の仕上げに対する自信のほどを披露した。
 
 同協会の集計によると、04年のEPSの国内出荷量は、国産品の出荷数量19万872トンと海外品の輸入量の2,945トンの合計19万3,817トン(前年比0.5%増)となった。それに家電製品等の緩衝包装材の入超量7,400トン(同37%増)を加え、そしてその合計から土木・建築用などの耐久消費材2万6,400トン(同3.9%増)を減じた結果の17万5,000トン(同1.2%増)が04年の回収対象量(国内流通量)ということになる。
 対するリサイクル量は、MRが7万1,800トン(同5.6%増)、TRが4万9,500トン(同8.8%増)の合計12万1,300トン(同6.9%増)となり、その結果、全体のリサイクル率は69.3%という史上最高レベルに到達した。回収対象量が前年を2,000トン上回るにとどまったのに対して、総リサイクル量が7,800トン増えた点が注目される。
 未利用量は、埋め立てが3万8,400トン(同9.2%減)、単純焼却が1万5,300トン(同11.0%減)となっている。
 
 MRの内訳は、全体の64%に相当する4万6,000トンがインゴットで占められている。使用済み魚箱を各地の卸売市場で再生したものが中心。主として中国(香港)に輸出されている。全体の21%に当たる1万5,000トンはペレット化され、他は粉砕・溶剤化・ケミカル・リサイクル等で有効利用されている。
 
 今後のリサイクル推進活動について同会長は「引き続きJEPSRAの会員の総力を結集してリサイクル率の一層の向上に挑戦していきたい。ついては次期の中期リサイクルプランをできるだけ早く取りまとめるべく、準備に入っているとこころだ。エプシープラザの質の向上も含めたしっかりした実行計画を作りたい」と意欲十分なところを示した。