2005年04月15日
合繊5社の対応に関心、中国のスパンデックスAD調査
【カテゴリー】:行政/団体(経営、海外)
【関連企業・団体】:旭化成せんい、東洋紡、日清紡、経済産業省

 中国政府(商務部)が13日、日本、シンガポール、韓国、米国、台湾の各国を原産国とする輸入スパンデックスに対してアンチダンピング(AD)調査を実施すると発表した(既報)が、合繊メーカーが中国からAD調査を受けるのは初めて。それだけに対応には戸惑いが見られる。

 スパンデックスというのは、繊維自体がゴムのように伸縮する弾性繊維で、一般には「ポリウレタン弾性繊維」と呼ばれている。性質上100%使いの製品はなく、用途に応じて、他の繊維の中に5−30%混ぜて利用している。主な用途に肌着、靴下、スラックス、スポーツウエア、包帯など。

 ポリウレタン弾性繊維の国内メーカーは現在、旭化成せんい、東洋紡、富士紡績、日清紡績、オペロンテックスの5社(カネボウは撤退)、生産能力は合わせて年産約5万トン。

 経産省によると、日中両国の関税コード番号が一致していないため、今回中国政府が公告した税番「54024920」と「54026920」に相当する製品を正確にとらえることは難しい。しかし日本のコード番号「540249」と「540269」に相当する製品がほぼ近いとみている。
 財務省の貿易統計によると、コード番号「540249」の04年の輸出量は3万4,290トン。輸出金額は280億7,100万円で、キログラムあたり単価は820円となる。このうち対中国は、輸出数量3,909トン、輸出金額39億840万円で、キログラムあたり単価1,000円となり、中国への輸出価格は、全世界の平均を上回っている。

 各社とも、今後の対応については「検討中」としているが、「応訴」する意向が強いようだ。

<参考記事>
http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=16029