| 2005年05月20日 |
| トヨタ自動車・張社長が講演「石化業界は素材開発に協力を」 |
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トヨタ自動車・張社長が講演「石化業界は素材開発に協力を」 トヨタ自動車の張富士夫社長は5月20日、横浜市内のホテルで開催された「アジア石油化学会議」(APIC 2005)で「トヨタのアジア展開」と題し、約50分にわたって基調講演を行なった。会場は世界20カ国・900人超の石化業界代表でぎっしり埋まった。 同社長はこの中で、自動車産業の現状と同社の事業展開の進め方などを紹介するとともに、今後の課題として環境問題をあげ「これからは新素材の開発が重要だ。石化業界にはぜひ協力していただきたい」と要請した。 まず、世界の自動車生産の現状について「北米で2,000万台、欧州で2,000万台、日本・中国を含むアジア地域で1,500万台と年間計約5,500万台の自動車が生産されている」としたあと、「トヨタの生産台数はこのうち740万台。生産シェアは北米11〜12%、欧州5%なのに対してアジアは30%。日本国内の44〜45%を別にすれば、アジアのシェアは断然高い」と、同社のアジア市場重視の姿勢をグラフを使って説明した。以下は張社長の講演要旨。 当社はアジアでは1964年のタイを皮切りにインド、フィリピン、マレーシア、ベトナム、台湾、中国の各地に工場進出し、小型車を中心に現地生産してきたが、小型車の場合量産化しないとコスト低減がむずかしい。このため各工場とも、車のデザインはそれぞれの好みで独自に設計するが、部品はできる限り共有化する方法を採用している。 海外展開のキーポイントは、人材の育成にある。現在海外の各工場には、基本設計を除き資材の調達から工程管理、物流まですべてを現地の判断に任せている。ここで国・地域工場間のチームワークが重要となる。日本のトレーニングセンターには常時各国から500人の従業員を集め、作業の進め方や現場管理のしかたなどをトレーニングしている。 トヨタの基本理念である「TOYOTA WAY」というのは、要するに「人間性を尊重しよう」「お互い絶えず知恵を出しあい、改善していこう」というものだが、全従業員がこうした価値観を共有することはとくに大事だ。 自動車産業は今、厳しい環境問題に直面している。石化業界にもぜひ協力していただきたい。1つはCO2削減問題だ。グローバルな視点で地球環境問題に取り組んでいかないといけない。今、自動車1台当たりのCO2排出量は、2,000CCクラスの車が年間94,000キロ走ったとして約26トン。車体の重量を200キロ軽くすればCO2を1トン減らすことができると計算されている。 車体を軽量化させることで、CO2と燃費の両方を削減させることができるわけだ。これまでも当社は、軽量化にはかなり努力してきた。1968年当時、プラスチックの重量当たり使用比率は3.6%だったが、最近はバンパーや燃料タンク、ランプレンズなど10ヵ所以上のパーツをプラスチック製品に置き換え、重量当たり比率も9%に高まっている。今後もこの比率を上げ軽量化につなげていきたい。 もう1つはリサイクル問題。現在、廃車1台当たり80%までマテリアル・リサイクルしているが、残りの20%はシュレッダー・ダストにかけ、ごみとして処理している。新しい法律では、2015年までに、マテリアル・リサイクル率を95%に上げることを義務付けている。この課題を克服するには新素材の開発しかない。会場のみなさんには、ぜひとも新しい素材の開発にご協力をお願いしたい。 |