| 2001年10月03日 |
| 浮世絵を「科学」でみる、色材の顔料や染料を解明 |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:なし |
光ファイバーや低レベル放射線源を用いて浮世絵版画から使用された顔料や染料の色材を割り出すという試みが行われ、成功したことが明らかになった。 これは吉備国際大学社会学部の下山進教授が(財)新世代研究所(理事長・原禮之助氏)の講演会でこのほど明らかにしたもの。 下山教授は、“ジャポニズム”として欧州に広く知られた印象派画家たちの浮世絵版画が、二百数十年も前にすられたのに、今もなお鮮やかな色彩を保っていることに注目、植物由来の染料や無機顔料の色材を科学的に解明した。 題して「浮世絵を科学の目で見る」。その手法として光ファイバー装置を使い波長の異なる励起光(紫外線から可視光領域の光)を順次試料に照射し、その都度、試料から放出される蛍光を測定。励起光と蛍光の2つの波長をパラメーターとする3次元蛍光スペクトル非破壊分析法を使った。 また低レベル放射線源(セラミックで密封した放射性同位体)を用いて、この線源から放出される放射線を空気中で試料に照射し、試料から放出される二次X線を測定することによって、元素分析を行う蛍光X線非破壊分析法も適用した。 この結果、前者の分析法によってベニバナ、ガンボーシ、ウコン、アイなどの植物に由来する染料が、また後者の分析法によって砒素元素を主成分元素とする石黄、鉄元素の人造ベロ藍(別名・ブルシャンブルー)など無機顔料が浮世絵版画に使用されていることが判った。 例えば鈴木晴信の「風流艶色似ゑもん」(1770年)の色材で、赤はベニバナの花弁からとるサフラワー、黄がオトギリソウ科喬木ガンボーシの幹からとるモレロフラボン、橙はサフラワーと藤黄の混色。 歌川豊国の「どろ水の土性」(1820年)は赤がサフラワー、黄はウコンの根からとるターメリック、橙はサフラワーとターメリックの混色。 三代歌川豊国の「浮世八景・木下川ノ夜乃雨」(1855年)の青は人造顔料のベロ藍(フェロシアン化第二鉄カリ)だった。 |