2005年05月31日
ポリエチレンの価格交渉もほぼ決着
多くの需要家が10〜15円幅の値上げ受け入れ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:日本ポリエチレン、プライムポリマー

 ポリプロピレン(PP)に続いてポリエチレン(PE)の値上げ交渉もほぼ決着となってきた。プライムポリマー、日本ポリエチレンなど同樹脂各社がフィルムメーカーやブローメーカーなど加工各社と交渉を重ねてきた結果、一部のユーザーを除く大方の需要家から先週末までに同意を得るにのに成功しているもの。

 残るは、超大手フィルムメーカーとラミネートメーカー、ならびに機能性フィルムメーカーなどごく少数にとどまっている。同樹脂各社とも今週内にはこれらのユーザーからも同意を取り付けたいとしている。

 今回の値上げは、HP-LDPE、L-LDPE、HDPEの3品種の価格を5月出荷分からキロ15〜20円引き上げることを目標にレジン各社が各ユーザーに受け入れを要請してきたもの。現在のところ、ほとんどのユーザーが5月からの新価格への切り替えを受け入れる旨を表明している。ただし上げ幅については、多くの需要家が同10〜15円の範囲内にとどめるよう強く要求しており、レジン側も譲歩しつつある。

 このままいくと、今回の交渉も前回同様に比較的短期で終結となる見通しだ。この最大の要因は、「PE全体に需給バランスが一段と引き締まってきていることが大きく作用している」(斉藤精一郎・プライムポリマー取締役ポリエチレン事業部長など)ことにあると言ってよいようだ。国内需要がどの品種も堅調に推移している中で、定修によってプラントを運休するところが相次いでいることから、多くの需要家が操業を維持していくため先ずは必要玉の確保を優先する行動を取っていることがレジン各社に有利に働いているわけ。来週には全面決着を表明する樹脂メーカーが出てきそう。