2005年06月14日
NECとユニチカ、携帯電話用「バイオプラスチック」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEC、ユニチカ

日本電気(NEC)とユニチカの両社は14日、携帯電話用にケナフ添加バイオプラスチックを共同開発したと発表した。トウモロコシを原料としたポリ乳酸に温暖化防止効果の高いケナフの繊維を添加し、携帯電話に必要な落下衝撃性や成形性などを満足させるための独自の配合処方を採用することで実現した。

主な特長は以下のとおり。
(1)代表的なバイオプラスチックであるポリ乳酸にケナフ繊維を添加することにより、耐熱性を大幅に改良。さらに植物系柔軟剤や補強用充填材などを加える特有な配合処方によって、携帯電話に必要な落下衝撃性等の強度特性や成形性も改良。
(2)ケナフ繊維に加え、特有の植物原料の添加剤を中心とした処方により、既存の電子機器用バイオプラスチックの中で最高レベルとなる約90%という高い植物成分比率を実現。

 環境問題に関心が高まる中で、植物資源由来のバイオプラスチックのポリ乳酸が注目されているが、通常のポリ乳酸は、耐熱性や耐久性に劣るために電子機器への応用には問題があった。このため、石油系樹脂とのブレンドが検討されてきたが、本来の目的である石油代替と炭酸ガスの発生抑制の効果が十分ではなかった。

 NECは、これらの問題を解決するため、バイオプラスチックに温暖化防止効果の高いケナフの繊維を添加することで耐熱性を大幅に向上させ、ユニチカと共同で耐久性などの他の実用特性を実現し、パソコン部材に適用を開始している。両社は今後共同で、1年程度を目処に同素材の実用化・量産化を実現し、携帯電話などの携帯情報機器への採用を働きかける予定だ。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/search.php?RCODE=3605