2005年06月30日
日本ポリペンコ 「MCナイロン」帯電防止に新グレード
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱樹脂、日本ポリペンコ

 日本ポリペンコは30日、切削加工用ナイロン素材「MCナイロン」(商品名)の帯電防止グレードに、高抵抗域の帯電防止特性をもち耐熱性を向上させた新グレード「MC501CDR9」を開発、7月1日に発売すると発表した。

 同社は、三菱樹脂の関連会社で、エンプラ素材大手。「MCナイロン」は、カプロラクタムを独自技術で重合成形し、特性を向上させた切削加工用素材で、機械的強度、耐摩耗性、自己潤滑性に優れている。車輪や歯車などに加工され、搬送機器や遊戯施設など広い分野で使用されている。

 これまでの「MCナイロン」帯電防止グレードには、カーボン系充填材を添加した導電性グレード、帯電防止グレードの2グレードと、ノンフィラー系帯電防止グレードがあり、主として半導体製造装置など情報電子機器の製造工程に使用されている。

 今般発売する「MC501CDR9」は、従来の帯電防止グレードよりもさらに高抵抗域の帯電防止性を付与し、耐熱性(連続使用温度)を従来の120℃から150℃まで向上させた。また、カーボン系充填材の処方に改良を加え、パーティクル(細かい粒子状のゴミ)発生の要因も抑えている。これにより、これまでポリイミドなどのスーパーエンプラ素材が使用されていた帯電防止性と高い耐熱性が要求される半導体テスト工程や電子デバイス実装工程のハンドリング用治具(ガイドやトレイ等)として、今後新たな市場を開拓していきたいとしている。規格サイズは、幅600ミリ、長さ1200ミリで、厚さは10ミリ〜25ミリの5種類。

【日本ポリペンコ】
 三菱樹脂とスイスのQUADRANT社との合弁会社。1967年に日本で初めて「MCナイロン」の製造・販売を開始したエンプラ素材の大手メーカー。「MCナイロン」は、金属に代わる新素材として注目を集め、その後「ポリペンコアセタール」や、エンプラよりもさらに優れた特性を持つハイパフォーマンスプラスチック素材として「ポリペンコ PEEK」など品揃えを充実させてきた。最近では、半導体製造装置などの厳しい条件に対応した耐熱グレード、帯電防止グレード等を開発、商品化している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/search.php?RCODE=3645