2005年07月08日
レジ袋の出荷がさらに増加
海外品の大量輸入が寄与か
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:日本ポリオレフィンフィルム工業組合

 日本ポリオレフィンフィルム工業組合が7日に集計したところによると、ポリオレフィン・インフレーションフィルムの3月の総出荷数量は6万9,401トンとなった。前年同月の実績の横並びである。うち、LDPEフィルムが前年同月比97.1%の4万3,797トン、HDPEフィルムが同105.5%の2万3,844トン、PPフィルムが同104.5%の1,760トン--となっている。
 
 注目されるのは、HDPEフィルムのうちのレジ袋が大幅な伸びを遂げている点だ。今年最高の1万2,711トンとなり、前年同月を12.3%上回っている。他の品種を伸び率の面で大きく圧倒している。
 レジ袋に対しては、特にこの2〜3年、スーパーの中に採用打ち切りを試みる動きが活発化している。採用打ち切りもしくは自粛の理由については、ごみの排出抑制策の一環であり地球環境保全に寄与するためと説明している。しかし実際には、容器包装リサイクル法の遵守に伴い拠出する処理費(委託リサイクル費用)の負担を少しでも軽減したいというのが本音と見る向きが関係筋には多い。
 しかし、スーパー業界の懸命なPR活動の割には消費者のフォローが小さく、店頭でレジ袋を断る買い物客はこの2年あまり全体の13%程度にとどまって一向に増えないでいる。
 
 同工業組合の集計結果もそうした市場の実態を反映したものと見ることができる。1月から3月までの累計は3万3,204トンで前年同期を8.4%上回っている。こうした高い伸びをもたらしているもう一つの要因としては、安価な海外品の流入量が増え続けていることが挙げられると指摘する関係者が多い。最近の輸入品の平均CIF価格はキロ187円で、国産品の価格を大きく下回っている模様。このため、国産メーカーの中にも海外品を輸入するところが増えている。ちなみに今年1〜5月のPE袋の総輸入量は16万6,695トンとなっている。