2005年08月01日
住友化学、サウジ「ラービグ計画」合弁契約を締結
総投資額85億ドルに膨張、原油高騰で競争力は強まる
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:住友化学
調印する両社首脳

 住友化学は1日、サウジ・アラムコ社との間でラービグ地区における石油精製と石油化学の統合コンプレックス事業計画「ラービグ計画」が最終合意し同日、合弁契約を締結したと発表した。調印は、同社の米倉弘昌社長と、サウジ・アラムコ社のアブダッラー S.ジュマ社長兼CEO両氏の間で行われた。
 
 合弁会社名は「ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニー」(ペトロ・ラービグ社)で、両社が折半出資する。完成は当初計画どおり08年後半の予定。ただ、総投資額は当初予定していた43億ドルから大幅に増え85億ドルとなる見込み。

 同社の宮脇一郎専務は1日、東京で記者会見し、要旨次のように語った。
(1)基本合意が成立した(04年5月)当時、1バレル35ドルだった原油価格は、最近は60ドルまで上昇している。世界の経済情勢も大きく変わり、中国や中東、インドなど各地でリファイナリーや石油化学プラントの建設が行われている。コントラクターは工事能力を上回る受注をかかえ、建設資材なども高騰している。

(2)当初は外部購入する予定だった電気、蒸気などのユーティリティを自前で確保することにした。このため、新たに10億ドルをかけてプラントを建設する。

(3)当初予算から見ると、建設コストは1.6倍に増え、これにユーティリティ部門の10億ドルが加わったことになるが、事業採算面からいえば、原油・ナフサ価格が上昇したことで、安価なエタンをベースとした今回のプロジェクトは一層競争力がついたということもできる。

(4)サウジ・アラムコのもつ日量40万バレルという製油所の規模は、日本の年間石油輸入量の約10%に当たり、エネルギーの安定確保をめざす日本にとっては決して小さくはない。半分はジャパン・オイルということになる。経産省や外務省からもサポートをいただいているので、今後ともしっかりやっていきたい。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1122881012.pdf