| 2005年08月04日 |
| 中国、産業投資のマクロコントロールが成果 |
| だが、エネルギー、石油化学計画目白押し |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
中国政府は昨年春から過剰設備の抑制にのりだしたが、ここへきてその効果がみえはじめている。中国国家統計局は7月末にことし上半期のGDPを6兆7,422億元(1元約13.5円)、前年同期比実質成長率を9.5%と発表した。ただ単純合計(31行政区)では8兆3,979億元と12.1%も伸びており、年間8%ていどの伸び率にとどめようとしている政府の考えどうりには行きそうもない。同国の1〜6月のデータから主な業種別の需給動向、問題点などを拾ってみた。 マクロコントロールと称して、中国政府は経済、金融を通しての設備投資抑制策を昨年4月に実施した。とくに鉄鋼、セメント(建材)、電解アルミなど4業種を対象とした。1〜6月の投資をみると鉄鋼は前年同期に比べ32.9ポイント減の18.6%、建材は40.8ポイント減の13%の伸び率になった。電解アルミは1〜5月で2.4%増に低下(昨年同期は38%増)した。 一方、粗鋼の1〜6月の生産量は対前年同期比28.3%増の1億6,500万トンに達したもよう(年間3億5,000万トンのペース)。マクロコントロールが需要の減退を招いているようで、過剰供給が懸念されている。また、原燃料価格の高騰が企業収支を悪化させているといわれる。セメント、電解アルミ業界にも過剰問題が拡がり、製品価格が低下するなかで、操業を休止する企業も相次いでいると伝えられている。 過剰供給が強まった粗鋼(ビレット)は輸出に向けられ、純輸出量が229万トンに達した。初の輸出国になったわけである。政府の鉄鋼業界への政策が変り、外資単独の投資ができなくなっている。こうしたことで鉄鋼、セメントなどの基礎資材の過剰投資は一応、おさまったようにみえるが、電力や石油、天然ガス、石炭などの原燃料、自動車部品などへの設備投資は一段と増加している。 電力の1〜6月の発電量は前年同期比で、13.2%増の1兆1,286億キロワット時余に達した。内訳は水力が21.8%増の1,557億3,100キロワット、火力が11.8%増の9,406億3,400キロワット時、原子力発電が15%増の259億1,900キロワット時。地域では内蒙古、江蘇、河南、広西、海南、青海、寧夏で発電量が20%以上もふえた。発電設備容量では4億6,000万キロワットに達している。 このうち国家電網公司と南方電網公司系の発電所と華能、大唐、国電、華愛、中電の民営企業の設備増強が進み、11.04%増の1億9,086キロワットと中国の総発電容量の41.5%に達した。中国の発電設備容量は6月末で4億6,000万キロワット、年末には5億キロワットを超える見通し。同国のことしの電力不足は2,500万キロワットと予想されており、来年には不足が解消されるとの見方もある。 中国では目下、原子力発電所の増設が急ピッチで進められている。現在、運転中の設備は浙江省の秦山周辺に5基、広東省の大亜湾、嶺澳の各2基があって9基合計での発電容量は700万キロワット。政府は2020年までに4,000万キロワットに増強する計画。現在、増設中は江蘇省2基、新設は浙江省の4基、山東省の2基、福建省の2基、広東省の6基、計14基がある。 石炭を燃料とする発電計画も盛んだが「北電南送」(北部の電力を南部へ)の考え方で、大プロジェクトが進められている。中国国電集団公司と黒龍江最大の石炭企業の合弁で投資額231億元。年1,500万トンと500万トンの石炭を使い、出力400万キロワットを発電する。 中国では環境対策にも熱心で、このほど国家発展改革委員会、国土資源省、水利省、国家環境保護総局の4省庁合同で、用地、環境、取水、土壌保全などに問題のある32か所(1,711万キロワット)の発電計画を中止させた。すでに200億元を投入したといわれる。 現在、中国では鉄道、高速道路などの建設が盛んだが、石油、天然ガス、石油化学、非鉄金属などの産業も設備投資を活発化させている。とくに石油化学はエチレン年産80〜100万トンセンター計画が目白押し。中国政府の産業政策が注目される。 |