2005年08月09日
住友化学、増強PP設備のテストランに
気相法への全面転換を完了
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は千葉工場内のPP(ポリプロピレン)設備の手直し増強工事を完了、テストランを開始した。
 
 今回手直し増強したのは、同工場内で稼動してきた合計3基のPP設備のうちの気相法の2つのプラント。うち1基の生産能力は年産11万8,000トン、そしてもう1基は同15万トン能力であったが、ともに17万トン能力に増強した。残る7万トン設備は溶液重合法によるものであったが、同社ではこれを気相法プラント2基の営業運転が軌道に乗った時点で停止する。したがって、同社の国内のPPの生産体制は従来の3基合計33万8,000トン体制から2基合計34万トン体制に変わる。
 
 生産能力自体はほとんど変わらない。しかし、コストと品質の両面での国際競争力は一段と強化されることになると同社では説明している。これは、全面的に気相法に転換され、しかも1系列当たりの生産規模が大きくなるのでコストの合理化が図れることと、最新のプロセスの採用でこれまで以上の高度の品質のグレードをフレキシブルに生産していけることになるためという。ホモポリマーとコポリマーをほぼ均等に生産していくことになりそう。
 
 この結果、同社のPPの生産能力は、米国の35万トン、シンガポールの45万トンと合わせて114万トンとなった。うちシンガポールでは来年第3四半期にL-LDPEの20万トンプラントをPPに転用するので、その時点での総設備能力は134万トンとなり、さらに08年にはラビーグの70万トンが加わって204万トンとなる。全てが気相法設備である。