2005年08月29日
石化企業の間に減産機運が急台頭
原料高騰と内外需の伸び悩みを重視
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 多くの石油化学企業の内部で、汎用石油化学製品の減産の必要性を強く主張する向きがにわかに増えてきた。これは、10〜12月期の原料ナフサ価格の高騰が不可避となってきたことと、多くの汎用製品の需要が国内もアジア地域もともに当初の予想を下回るレベルにとどまっていてしかも今後急回復する見込みが薄いこと等を重視してのもの。
 
 すでにフェノールメーカーやスチレンモノマーメーカーの中には、輸出の頭打ちと原料価格の高騰に対処して小幅の減産に踏み切っているところもいくつか見られるが、向う1〜2週間の間にはより多くの石化製品を対象に思い切った規模の減産計画を固めるところが相次いで出てきそう。

 減産に当たっては、エチレンから汎用誘導品までの全てを対象にすべきと考えているところと、エチレンとプロピレンはアジア市場で円滑に消化される可能性が強いので減産の対象にはせず、専ら汎用誘導品に的をしぼるのが妥当とする向きとに分かれている。

 誘導品に関しては、ポリオレフィンやPSの場合が特に重要度が高いと指摘する向きが多い。また、PHやSMについても減産率を大幅に引き上げることが不可欠との考えが広がってきている。いずれも、これまでの各製品の価格修正の達成度が必ずしも高いとは言えないうえに、当面のナフサ価格の見通しから判断して10月以降に再度大幅な製品値上げを実施しなければならない事情にあるためといえる。

 これらの誘導品メーカーの中には、10月以降のナフサ価格をキロリットル4万5,000円と想定して、製品価格をキログラム18円引き上げなければ赤字に陥ると危機感を募らせる向きが多い。しかし、これだけの大幅な製品値上げを実現するには需給バランスがよほど売り手側に有利な姿になっていなければならない。

ところが現在は、出荷の前年同月割れが続いているため在庫が適正規模を大きく上回っているものが少なくない。最近の減産志向の広がりはこうした厳しい状況判断に根ざしてのものであり、したがって比較的早期に具体的な計画を打ち上げるところが相次ぐ公算が濃厚といえる。