2005年09月01日
アメリカでベンゼン市況が急騰 ハリケーン被害大きい
新日石化学、9月価格はトン760ドルで決着
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:新日本石油化学

 新日本石油化学は1日、9月のベンゼン価格が、前月比60ドル安のトン当たり760ドルで需要家筋と決着したと発表した。
 
 同社によると、9月のベンゼン価格は一時的な需給緩和によりアジアの市況が下がったため、前月比60ドルでの決着となったが、足下ではアメリカのハリケーン(カトリーナ)の影響で原油、ガソリン価格とともにベンゼンの市況も急騰している。
 
 アメリカでは、リファイナリー設備の停止によりガソリン供給に壊滅的な影響が出ており、石油各社は供給量の確保に全力をあげている。このため脱アルキル装置やトルエン不均化装置を稼動させる余裕がない。また、オクタン価向上材として、ミュメンまでガソリンに流し込む状況まで出てきているという。
 
 このため今後、ベンゼンに対する先高観は国際的にもかなり強まるものと同社では見ている。なお、直近のアジアスポット価格(FOB KOREA)は、すでにトン当たり820ドル台まで上昇しているという。