2005年10月04日
PETボトルの回収率、さらに上がって04年は62.3%に
PETボトルリサイクル推進協首脳が会見で明らかに
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:PETボトルリサイクル推進協議会

 PET樹脂・ボトルメーカーと、清涼飲料やしょうゆなど同ボトルの需要業界の団体とで構成する「PETボトルリサイクル推進協議会」の和田國男会長(東洋製罐専務)ら首脳は4日、記者会見し、同協議会がまとめた「PETボトルリサイクル年次報告書(2005年度版)」の概要と同協議会の最近の活動概況を説明した。
 
 同報告書は、2004年度における「PETボトルのリサイクル状況」と、現在同協議会が展開している「回収促進の取り組み」や「容器包装リサイクル法の見直しへの取り組み」等、様々なリサイクル推進活動の内容を取りまとめたもの。
 
 うち「PETボトルのリサイクル状況」については、(1)04年度のPETボトルの回収率が、過去最高の前年度の61.0%をさらに1.3ポイント上回って62.3%となったこと(2)収集が確認できない使用済みPETボトルの数量(未確認量)が、前年度の17万トンから04年度は12万5,000トンに大幅に縮小したこと(3)2014年度における回収率を80%以上とする長期目標を設定したこと--等を詳細に紹介している点が注目される。
 04年度の62.3%という回収率は、米国の21.2%や欧州の31.5%をはるかに凌ぐ高いレベル。内訳は市町村による回収が46.4%、事業系回収が15.9%となっている。市町村回収は前年度を2.1ポイント下がったが、事業系回収が3.4ポイント増えたためトータルでは、容リ法の適用が始まった97年以降7年連続の拡大となった。ちなみに97年度の回収率は9.8%であった。04年度の回収量は、市町村による分別回収が23万8,000トン(前年度比112.3%)、事業系回収が8万1,000トン(同147.3%)の合計31万9,000トン(同119.5%)となっている。樹脂の生産量は51万4,000トン(同117.6%)であった。
 一方「回収促進の取り組み」については、同協議会が開発と実用化を支援してきた“ボトルtoボトル”容器が市場に出回るようになって完全循環型社会の実現に大きく寄与できるようになったこと等を強調、また「容リ法の見直しへの取り組み」に関しては、同法が効果的に機能しているとの判断から同法の枠組みが堅持されてしかるべきとの見解を示すとともに、市町村が主張している追加費用の事業者への負担の付け替えには強く反対する旨を表明している。
 
 また、当面の活動については「現在の最大の問題は分別収集された使用済みPETボトルが市町村の手によって中国など海外に売却されている点にあるので、関係各方面の理解と協力を得ながら全量が国内でリサイクルされるよう強く促していきたい」(和田会長、伊藤勇理事など)と述べ、行政当局とも連携して可及的速やかに具体策を確立していきたい考えを示した。