2005年10月19日
大洋塩ビ、11月の対中輸出価格をさらに引き上げへ
10月比70ドルアップの930ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 PVC(塩ビ樹脂)トップメーカーの大洋塩ビは18日、中国のPVC加工企業各社に対して11月の同樹脂の輸出価格をトン当たりCFR930ドルに引き上げたい旨を伝え、同意を求めた。
 
 同社の10月の輸出価格は同860ドルであったので、11月分の上げ幅は同70ドルということになる。本格的な交渉は週明けからとなりそうだが、これまで対中輸出に積極的に取り組んできた台湾や韓国のPVCメーカーが、ハリケーンの襲来と米・FPCのプラント爆発事故の影響で極端な品不足状態に陥っている米国のPVC市場向けに多くの玉を振り向けつつあってアジア地域の需給も急速に引き締まってきているので、話し合いは大洋塩ビ側ベースで進んでいくと見られる。11月分の値上げが受け入れられると、6月の同710ドルをボトムに同社の対中輸出価格は5ヶ月連続の引き上げが実現することになる。

 中国によるこの数年のPVCの年間輸入数量は170万トン前後で推移、今年の1〜8月の累計は91万2,875トンとなっている。同国の輸入品のトップは台湾品と日本品が僅差で競い合う状態が続いており、今年1〜8月の累計も台湾品が31万8,002トンであるのに対して日本品が29万5,332トンと接近している。大洋塩ビのほか信越化学やカネカも積極的に対中輸出に取り組んでいる。