| 2005年10月31日 |
| 住友化学が高分子有機EL材料の生産へ |
| 英CDTと11月にも折半会社を設立 |
| 【カテゴリー】:新製品/新技術(経営) 【関連企業・団体】:住友化学 |
住友化学は薄型デスプレイ用に成長が期待されている高分子有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料を大阪で生産することになった。英CDT(ケンブリッチ デスプレイ テクノロジー)と折半で合弁会社を11月にも設立する。新会社の社名はSumationで、本社は東京。日本と英国に研究所をもち、製造は住化大阪工場に委託する。 住化は筑波研究所で有機EL発光材料の研究を進めてきたが、高分子型の製造技術を01年に米ダウから導入するとともに、発光材料を塗布するインクジェット方式でCDTと共同研究(デンドリマ)を行ってきた。 高分子型では低分子型のように真空蒸着設備がいらず、その分コストが安くなる。また動画の反応が早くテレビや携帯電話、DVDなどに適しているといわれる。有機ELは自家発光型なのでバックライトが要らず液晶パネルなどに比べ、省エネルギーが可能。高精彩で視野角が広いのも特徴である。 有機ELの発光材料は寿命が短いのが難点とされてきた。しかし、同社ではこの問題を解決、30〜40型のテレビ用にも使えるようになったとしている。当面の生産は数10キログラム程度、将来はトンクラスの規模にしたい考え。 高分子有機ELの発光材料は世界でダウ、コビオン、住化の3社が手がけてきたが、ダウはすでに住化に製造技術を売却しており、今後は日欧2社が取り組むことになる。 低分子有機EL材料ではさる10月、出光興産が青色発光で、輝度半減寿命2万3,000時間(従来の2.3倍)を達成している。住化は筑波研究所でこれまでにEL材料の生産を行っているので、ユーザーとの折衝は年内にも始めたい意向である。 |