2005年11月07日
三菱化学とJエナジー、軽質ナフサ、パラキシ・ベンゼン共同生産
鹿島地区における包括的連携強化「第1ステップ」
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:鹿島石油、ジャパンエナジー、三菱化学

 ジャパンエナジー、三菱化学の両社は7日、鹿島地区における包括的連携の第1ステップとして、輸入コンデンセート(天然ガス随伴原油)から芳香族製品、軽質ナフサなどを生産する設備を建設し、共同事業化すると発表した。鹿島コンビナートの国際競争力強化に向けた新たな取り組みとして注目される。

 計画によると、両社は鹿島石油・鹿島製油所(茨城県神栖市)内にパラキシレン製造装置年産41万トンをはじめ接触改質装置(2万バレル/日産)、コンデンセートスプリッター(60万バレル/日産)などの設備を建設し、パラキシレン年産約41万トンのほかベンゼン約17万トン、軽質ナフサ約85万キロリットルなどを生産する。

 06年9月に着工し、稼動入りは08年1月の予定。設備投資額は約700億円。両社は今後共同事業体を設立するが、投資分担比率はJエナジー90%、三菱化学10%としている。

 Jエナジー、三菱化学、鹿島石油の3社は、これまで原料の効率的調達・生産を目的とした「原料適正化」と、石油製品、オレフィン、アロマ製品の効率的生産を目的とした「最適生産」をテーマに包括的連携の具体案を検討してきた。
 
 生産されるパラキシレン、ベンゼンは全量Jエナジー、軽質ナフサは全量三菱化学が引き取る。Jエナジーのパラキシレン生産能力は知多、水島両製油所及びマレーシアからの引き取り分などを合わせて60万トン、新設備完成後は100万トンを越える。
 
 また、三菱化学は鹿島コンビナート地区での国産ナフサ比率が約50%に上昇し「原料の安定確保が図れるメリットは大きい」(冨澤龍一社長)としている。引き続き水島地区でも同様の連携適用が可能かどうかを検討中という。

 鹿島石油は、新設設備の運転を受託し、鹿島製油所の既存設備と一体最適運転を図ることで共同事業体の競争力強化に貢献する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1131339874.doc