2005年11月08日
「韓国経済の現状と課題」OECDの見方
研究開発システムの強化、労働市場の機能改善など
【カテゴリー】:行政/団体(海外)
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 経済協力機構(OECD)東京センターは7日、さる10月にまとめた「OECDからみた韓国経済の現状と課題」の内容を明らかにした。この報告書ではマクロ経済の安定性維持、地方分権化の促進、研究開発システムの強化、労働市場の機能改善、中小企業セクターの再構築など大要、以下のように提案している。

 97年の危機後に着手された構造改善プログラムと世界経済への統合進展の結果、経済は大きな変貌を遂げつつある。しかし、03年の景気後退の局面から内需回復が遅れているため、韓国の中期的な成長見通しについては、懸念が生じている。

 持続的な高成長の達成には生産性を上昇させる構造改革の一段の進展と適切なマクロ経済政策が必要である。韓国のGDPは過去20年でOECD平均の3分の2となったが、まだ米国の半分である。鉄鋼、発電所の生産性が低下している。

 マクロ経済政策では、中期的なインフレターゲットに重点をおき、総需要の回復がみられるまで短期政策金利を低水準に抑え、一部の地域における不動産価格の上昇に対処すべきである。人口高齢化が見込まれていることを考えると公共支出と債務の増加に歯止めをかけ、また公的年金制度の改革が必要。

 地方分権化では地方政府の能力向上と教育への影響力強化、地方税制の簡素化、健全財政の確保、均衡のとれた地域発展(首都圏への集中化に対して)への配慮などが求められる。

 生産性の向上にはイノベーション枠組みの強化をはかり、研究開発と教育の比較的多額の投資から経済的リターンをえるには改革を要する。

 大学(全国約50、要統合)の役割を高め、研究開発体制を強化すべきである。イノベーションの開発と普及を促進するため、労働生産性が半分に過ぎないサービスセクターの活動が求められる。産業としてはIT(情報技術)に優れているが、後が育っていない。
 高等教育セクターの質を高めるため、外国機関を含めて競争をはかり、教育助成金は各レベル間のバランスを見直すべきである。産学交流も進めることが重要である。

 労働市場の機能改善については市場の円滑化を進める政策が重要である。雇用者の3分の1を占める非正規労働者の割合が上昇すると公平性と効率性で問題がでる。正規労働者向けの雇用保護を緩和すれば市場の二重性は解消される。

 人口高齢化に対処するうえで、プライムエージ(25-54歳)の女性の労働参加率を高め(児童手当、産休手当てなどで)、年功序列賃金制度や企業年金制度の改革で従業員退職年齢を50歳前後から引き上げることが重要である。労働力の不足で破産する中小企業もでている。

 韓国の財閥(チェボル)は健全性が増しているが、市場の力を強化し、企業の不正行為をなくするには金融の偏向を改めることが重要である。外国からの投資にオープンな姿勢がのぞまれる。国有銀行の民営化にも取り組むべきである。