2005年11月16日
新日石精製、水島でも高純度C3の生産を開始
韓国向けに最初の1,500トンを輸出
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学

 新日本石油精製はこのほど水島製油所でFCCプロピレンの精留塔(スプリッター)の営業運転を開始した。今回同社が建設した装置は、最大75.0%であった従来のリファイナリー・グレードの純度を95.0%〜99.6%に引き上げてPH(フェノール)、AN(アクリロニトリル)等の化成品やPP(ポリプロピレン)の原料向けに改質するためのもの。生産能力は年8万トン。
 これによって、新日本石油グループのプロピレンのケミカル・グレードとポリマー・グレードの総生産能力は、新日本石油化学の川崎工場や新日石精製麻里布製油所の合計で年68万トンとなった。
 
 これに加えて今年12月末には、新日石化学が川崎・千鳥に年産14万トン能力のメタセシス装置を完成、さらに07年には新日石精製が仙台製油所に同10万トン能力の同じスプリッターを新設する計画なので、その時点におけるプロピレンの総生産能力は92万トンとなる。わが国では最大規模となる。
  
 当面の販売は新日石化学が担当していく。同社では、これら増産分は全てアジア諸国向け輸出で消化していく方針。今回水島で生産された品種についても早速先週末に韓国に1,500トンを船積みした。来年は最大年間25万トンを韓国や中国、台湾等に輸出していくことになりそう。