2005年12月09日
SABIC、ヤンサブの工場建設をイタリア社とTECに発注発表
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング、SABIC

 サウジ基礎産業公社(SABIC: Saudi Basic Industries Corporation)は9日、テクニップ・イタリア社との間で、ヤンブー・ヤンサブ石油化学センターにエチレン、プロピレン工場の建設を委託する契約を6日付で締結したと発表した。前日の5日には、東洋エンジニアリング(TEC)ともエチレン・グリコール工場の建設を委託する契約を結んだ。

 SABIC のモハマド・アルマディ副会長兼CEO、東洋エンジニアリングの山田豊社長兼CEO が見守る中、SABICのユーセフ・アルザメル基礎化学品副社長兼ヤンサブ会長、テクニック・イタリア社のネロ・ウッセラッティ中東・東南アジアCEO、東洋エンジニアリングの副島憲二常務が契約書に調印した。

 SABIC のアルマディ会長は「この2つの契約の調印は、当社の子会社ヤンサブを世界最大級の石油化学センターとするための重要なステップであり、2008 年に生産が開始されると、SABIC の競争力が増強される」と語った。

 さらに「ヤンサブはサウジアラビア国内のSABIC の子会社としては一番新しく、各種の石油化学製品を年間400万トン以上製造する能力を備えることになり、SABICで最大の石油化学工場となる。内訳はエチレン130万トン、プロピレン40万トン、ポリエチレン90万トン、ポリプロピレン40万トン、エチレン・グリコール70万トン、ベンゼン・キシレン・トルエン25万トン、ブテン-1およびブテン-2が10万トンとなる」

 「フェーズ1とフェーズ2におけるヤンサブの従業員数は1,500人の予定で、サウジにとって有望な雇用機会の創出となる。ヤンサブでは、芳香族蒸留分からベンゼンを生産し、また、ポリエチレンを生産する新規プロセスなど、SABIC が特許を保有する技術も含め、最新の技術を工場に投入する」との考えを示した。

 ヤンサブの資本金の55%をSABICが、また、SABICの子会社のIBN RUSH とTAYF が計10%を、残りの35%は公募する予定という。

【サウジ基礎産業公社(SABIC)の概要】
 SABICは時価総額が中東最大(1,500 億米ドル以上)で、世界10大石油化学製品メーカーの1社。ポリエチレン、ポリプロピレン、グリコール、メタノール、MTBE、肥料のマーケット・リーダーで、世界第4位のポリマー・メーカーでもある。04年の利益は、前年比112%増の38億米ドルと創業以来の記録を達成。売上高は同47%増の183億米ドルで、中東の上場会社の中では売上高、利益とも最大を記録した。
 
 SABICの組織は、6つの戦略的事業単位(基礎化学品、インターミディエート、ポリオレフィン、塩化ポリビニール及びポリエステル、化学肥料、金属)で構成。研究部門はリヤド、オランダのヘレーン、米国のヒューストン、インドのワドダラの各地に研究開発センターをもつ。雇用人員は世界で1万6,000 名余りという。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1134095500.pdf