2006年01月11日
中国の化成品輸入、11月は多くの製品が前年超えに
計も8品目中の5品目が前年を上回る
【カテゴリー】:実績/統計(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:その他

 JETROの集計によると、中国の昨年11月の主要化成品の輸入通関実績は多くの製品が前年同月の実績を上回り、従来の姿に戻った。10月は主要8品目のうちの2分の1が前年同月を下回り、このためわが国の石化企業の中には11月以降の動向を警戒する向きも現われていたが、差し当たっての11月については杞憂に終わったといえそう。
 
 中国が11月中に海外から輸入した主要化成品8品目のうち、エチレン、VCM、EG、PTA、PHの計5品目が前年同月の実績を上回り、前年同月割れはプロピレン、SM、ANの3品目にとどまった。前年同月超えとなった製品の中では、PHの76.6%増とEGの25.6%増が特に目を引く。一方、前年同月を下回った製品の中ではANが38.6%減と10月に続いての大幅減となっている点が注目される。韓国、台湾、日本などの対中輸出国が安値成約を極力排除していることによるものと見られる。プロピレンとSMの場合も同様の理由から前年同月を下回る状態が続いている。
 
 このため、1月から11月までの累計は、プロピレン、SM、そして前半が不振であったVCMの3品目が前年同期の実績を下回っている。ANは前半の貯金が効いて累計は前年の横並びとなっている。前年同期を上回っている製品の中では、エチレンの56.6%増が目立つ。日本品も23.7%増の高成長を遂げている。
 
 主要製品の11月の輸入通関数量と1〜11月の累計は別表の通り。

【関連ファイル】
中国の化成品の05年11月の輸入数量
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1136932845.xls