2006年01月23日
JPPのメタロセンPPの市場開拓が加速
分子構造上の特徴が包装・容器分野で人気
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本ポリケム

 日本ポリプロピレン(JPP)のメタロセンPP(商品名:ウィンテック)に対する人気が食品や医療材料等の包装・容器分野を中心とする市場で急速に高まっている。
 結晶性分布が狭い、低分子量・低結晶成分が少ない、分子量分布が狭い--といった分子構造上の特徴がもたらす様々な性能面の特質が各種の包装・容器メーカーとエンドユーザーの間で知られ始めたことによるもの。
 
 同社によると、「ウィンテック」の持つ性能面の大きな特質としては(1)融点が低く(ランダムPPで125度C)、それでいて剛性や耐熱性に優れるので製袋効率の向上が図れる(2)透明性が高い(3)耐溶剤抽出性に優れているので臭いやべたつきが少ない(4)成形時の発煙・臭気・金型汚れが少ない(5)表面ブリードによる表面汚染が少ない(6)溶融張力が低くドラフト性に優れ、また延伸性能も高い--といった点が挙げられるという。
 こうした特徴が注目されて、現在は食品包装のシーラント向けや医療機器の容器包装向けを中心に引き合いと注文が急増しつつあるとのこと。
 
 わが国ではメタロセンPPの工業化が欧米に比べると大幅に遅れている。その要因は、欧米と異なりカーペット用繊維向けの需要量が極めて小さいこと、またカーペット向け以外の市場のニーズに対応していくための触媒技術の開発に時間がかかったこと等にあると見られる。こうした中でJPPは、ここにきて独自の触媒技術による高機能品種を相次いで開発、各種容器包装分野を中心に市場開拓を進めているところ。同社では今年の販売目標を1万トンに設定、また3年後には年5万トンの市場を確保したいとしている。