| 2006年02月06日 |
| 日本電産、企業M&A−成長戦略で成果 |
| 永守重信社長が買収のポイントを明かす |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:なし |
三協精機製作所、コパルなどを積極的なM&A戦略でグループ化、子会社化し、国内28社を完全再建、また中国、タイなどで成長路線を走る日本電産(本社:京都、資本金622億円、従業員数約10万人、グループ計110社)。 永守重信社長(京都生まれ、62歳)は、考え方・行動の重要性を説き、学歴、年齢、性別を問わない人事体制をとり、「情熱」、「熱意」、「執念」をモットーに、ユニークな経営戦略を展開している。以下、同社長に「企業M&Aについて」の話を聞いた。以下はその要約。 昭和40年(1965年)代の中ごろからM&Aを始めた。製品の「まわるもの、動くもの」(精密小型モータ、とくにコンピュータの記憶装置=ハードデスク、光磁気デスク、高容量フロッピーデスク、DVD)中心に、マーケットで売れることにこだわった。1984年に米国企業を買った。 企業M&Aで日本は難しい。資本の論理では買収した後、経営のプラスにならない。相手がイヤがっている場合はもちろん、その会社がつぶれかかっていても、いきなり譲ってくれとはいわない。頭を下げて、相手社長が病人の場合、医療費を払うくらいの覚悟が必要だ。 また従業員については整理せずに、会社の「価値」を上げることが求められる。たとえば買収後、2年ほどたって最高益を出すようになれば、ついてきてくれるようになる。これまでの経験だと買収に経営の悪い会社で2年半、よい会社では10年かかった。 「誰から買うのか、誰に売るのか」が問題。欧米はマネー、マネーの世界。日本は長い付き合いと雇用を大切にする世界。地域社会に問題を起こさない買い方も求められる。証券会社や外資企業ではことを運べない。自らの考え方を十分説明して、理解を得ることである。 買収されるのはイヤという企業に、議論だけでは話が進まない。「一緒にやれば1+1が4にも5にもなる」というやり方を説明する。現役の社長や役員は自分が切られるのではないかとの心配もある。ここは株主や従業員の考えも必要だ。 私には買収をこうやったらいいという基準はない。提案と話し合いである。成功した例は参考にし、前例にしている。将来のことや社会の考え方をいれて、話し合い、TOBをかける。ライブドア-のこれまでのやり方とは違う。 32年間、社長をやって、いま「挫折とジャッジ」の連続だったと思う。これからは買収で企業が大きくなる時代だと思う。企業の再編が進んで、日本経済に力がつくことをのぞみたい。納税できる企業体質を構築するということである。 日本は本当の経営者が少ないといわれる。これは一度、失敗すると再起が難しいという経営土壌があるためだが、逆に米国のチャレンジ精神に見習う必要がある。経営者と管理者は違うのだから、経営者をどう育てるかを考え、実行するときに来ていると思う。 <注> ◇日本電産の05年度第3四半期(10ー12月)決算をみると、売上高が1,367億円(前年同期比6.6%増)、当期純利益121億円(同49.8%増)と過去最高を記録した。売上げの27%が中国、23%がタイである。米、独、英、台湾、シンガポール、香港、フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレイシア、韓国にも現地法人、事務所を持つ。 ◇永守社長は日本電産グループ直系18社、系列上場会社の日本電産サンキョー、同コパル、同トーソク、同コパル電子、同リードなどの会長も兼務している。著書に「奇跡の人材育成法」(PHP研)、「技術ベンチャー社長が書いた 体当たり財務戦略」(三笠書房)、「情熱・熱意・執念の経営」(PHP研)など。 |