2006年02月22日
住友化学のEPPEの市場開拓が順調に進展
異型押出分野等に独自の領域を開拓
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学による新タイプの低密度ポリエチレン「EPPE」(EasyProcessingPE)の市場開拓に加速がついてきた。昨年7月に発売していらい、優れた成形加工性と強度、さらには酸化防止剤等の添加剤を使用しないことによるクリーン性などが人気を呼んで異型押し出し製品や食品関連包装分野を中心に順調に市場が広がっている。

 同社では、今年は少なくとも年間3万トンの安定需要を確保していける見通しを得ているという。また、海外市場の開拓にも今年から本腰を入れて取り組んでいくとしている。現在の生産設備は年産10万トンだが、同社では08年末にはサウジ・ラビーグに25万トンプラントを建設して全世界のマーケットをカバーしていく計画でもあるだけに今後の内外における市場開拓ぶりが注目される。
 
 EPPEは、同社が独自に開発したメタロセン触媒を使って千葉の気相法プラントで既存のL-LDPEと切り替え生産中の次世代型ポリエチレン。(1)粘度が低いためトルクがかからず低温での押し出し成形がしやすく、それでいて強度(応力亀裂抵抗性)も優れていること(2)溶融張力が優れているので加工性が安定していること(3)酸化防止剤を添加していないのでクリーンなこと(4)厚物の透明性が高く、ブリード性も優れていること等が大きな特徴とされる。
 
 現在同社では、「エクセレンGMH」と「スミカセンEP」の2品種を製造・販売しているところ。「エクセレンGMH」については、異型押出製品、ラミネート原反、発泡製品、重袋、食品・食品添加物包装材、農PO等の分野で新しい市場の開拓に取り組んでおり、一方の「スミカセンPE」の場合は、既存の汎用L-LDPEの品質・機能の向上・改良向けを中心に新需要を掘り起こしつつある。
 ポリエチレンの場合、新用途・新市場の開拓が世界全体で頭打ちとなって久しいだけに「EPPE」がどんな領域を切り開いていくかに関心がもたれる。