2006年03月01日
三菱化学グループが抗菌・鮮度保持フィルムを開発
「アリル-Z」の商品名でプレマーケティング開始
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱化学フーズ

 三菱化学系の大手フィルムメーカーであるジェイフィルム(本社:東京都千代田区、下津健司社長)と食品機能材メーカーの三菱化学フーズ(本社東京都中央区、小林宗社長)は、天然カラシ成分を配合した抗菌・鮮度保持フィルムを共同開発し、商品名「アリル-Z」でサンプル配布を開始したと1日発表した。5月には本格販売に移行する考え。
 
 今回開発したのは、かねてから強力な抗菌・鮮度保持効果を発揮することで知られ、三菱化学フーズが抗菌・鮮度保持剤「ワサオーロ」に活用もしているアリルカラシ油をポリオレフィン系ならびにスチレン系フィルムに独自の技術で封じ込めたもの。
 これを袋に加工して青果物や生鮮食料品を詰めると、中の食品が発生する湿度(湿度60%以上)を感知してアリルカラシ油が食品の鮮度を最適な状態に保持し続けるという。
 
 両社では、「通気タイプ」と「バリアタイプ」の2品種を上市していく。「通気タイプ」は(1)青果物の呼吸をコントロールできる(2)青果物の追熟、老化を抑制する(3)袋内の水分を調整す-といった点が大きな特徴で、鮮度保持が最大のセールスポイント。一方の「バリアタイプ」は(1)お餅やパン等に対するカビの発生を抑制する(2)水産加工品等に対して優れた抗菌効果を発揮するの2点が大きな特徴で、つまりは優れた抗菌性が最大の強みといえる。 価格は、品種によって異なり、OPPなど通常のフィルムの2倍から4倍となる見通し。
  
 両社では、初年度3億円、5年後30億円の売上げを目指していくとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1141203064.doc