2006年03月07日
NUC、PEの機能品種の構成比を引き上げへ
3年以内に10ポイントアップして全体の45%に
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本ユニカー

 日本ユニカーは、低密度ポリエチレン(LDPE)事業の拡充策の一つとして高機能品種の育成に本格的に取り組んでいくことになった。現在の構成比は35%ていどだが、先ずは3年以内に10ポイント引き上げて45%まで持っていきたいとしている。
 
 これは、一般フィルム用など汎用グレードの需要の伸びが頭打ちとなっているのに対してかねてから育成に取り組んできた精密機器の包装材料向けや化粧品容器包装材料向けなどの高機能・高付加価値グレードが市場の人気を呼んで今後大きく育っていく見通しが得られてきたため市場開拓を加速することにしたもの。マスキング・フィルムや農業用多層フィルムなども市場で高い評価を得ており、安定需要を確保していけるメドがつきつつあるという。
 
 最近のLDPEメーカーの間では、汎用品種の伸び悩みと採算性の悪化を睨んで独自の高度な技術による高機能・高付加価値品種の開発・育成に力を入れるところが増えてきている。日本ユニカーはこれまで電線被覆品種で強力な基盤を築き、LDPE業界の中ではスペシヤリティ品種の構成比率が比較的高い方として知られてきた。しかしLDPE事業全体の一層の充実・強化のためには、電線用以外にも新たな高機能・高付加価値グレードを相次いで戦列に加えていくことが不可欠と判断し、経営資源を重点的に機能品種の育成に投入していくことにしたもの。
 
 また同社では、これに並行してコスト合理化策の一環として汎用品種のグレード数の削減と、決済期間の短縮にもこれまで以上に力を入れていく考え。グレード数の削減については過去1年で25%のカットを実現したが、今年度はさらに5%の上乗せを目指していく。決済期間の短縮に関しては、最も長いケースでも60日、できれば30日を実現したいとしている。