| 2006年03月28日 |
| 中国の国家中長期科学技術発展計画 2006〜2020年 |
| 自主・知財の獲得、公益科技のガバナンスを強化 |
| 【カテゴリー】:海外(行政/団体) 【関連企業・団体】:なし |
国務院により2006〜2020年の15カ年間にわたる科学技術政策の長期的方向性が示された。温家宝首相、陳至立国務委員をトップに徐冠華科学技術部長が要綱を作成した。 この要綱は1956年に周恩来首席がまとめて以来、7回目で、02年から策定作業が続けられていた。この要綱にもとづく発展計画(20の部会で2,000人を動員)を、政策研究大学院大学の角南 篤(すなみ・あつし)助教授・博士が説明、解説してくれた。その概要は以下の通りである。 (1)国家中長期科学技術発展計画は序言、指導方針・発展目標と実施組織、重点領域、重大専項、先端技術、基礎研究、科学技術体制改革と国家イノベーションシステム建設、重要政策、科技投入と基礎条件のプラットフォーム、人材育成の10章から成っている。 20の部会のうち、とくに新しいのは3農問題と農業科学技術に関する研究、エネルギー・資源と海洋に関する科学技術研究、戦略的ハイテク技術とハイテク技術の産業化研究(軍・民イノベーションシステム融合・Dualユース研究)である。 (2)発展の戦略として、水・鉱産資源,環境技術を優先する持続的発展、製造・情報産業分野のコアテクノロジーとしての自主・知財の確保、社会のための科学技術開発(公益科学技術によるガバナンス強化)、軍・民両技術交流を上げている。 重点課題として、これにバイオテクノロジーによる社会経済問題への対応、安全保障・航空宇宙および海洋技術の発展、学際的研究に重点をおく基礎・先端技術の強化を加えている。 (3)重大プロジェクトではコア電子部品、ハイエンド汎用チップおよび基礎ソフトウエア、超大規模集積回路製造技術、次世代ブロードバンド・モバイル通信、ハイレベルNC工作機械および基礎製造技術、大型石油ガス田および炭層ガスの開発、先進的な大型加圧水型原子炉および高温ガス炉原子力発電所、水系汚染の抑制と管理、遺伝子組み替え生物新品種の育成、重要新薬の開発、大型航空機、高解像度地球観測システム、有人宇宙飛行および月面探査プロジェクトなど16項目。 (4)この発展計画では国民一人当たりのGNPに対するR&D費の割合が2020年で2%を目指すとされた。国内はは2・5%を主張したが、国際派の2%に落ち着いた。日本の3%、欧米の2・5%に配慮したものとみられる。 また、中国の科学技術論文数(ISTP)が、02年に米国、日本、英国、ドイツに次いで5番目となった。さらに上位を目指すという。経済成長への科学技術貢献度を上げ、海外技術依存度を下げるのが狙い。 (5)国家イノベーションシステムの建設で、エリート人材を育てる大学のレベルアップ、公的研究機関や大学から産業研究所への人材移転、中国独自の技術標準獲得、イノベーション文化の形成を打ち出した。次官級(副部長)大学の設置も視野に入れているという。 |