2006年04月04日
PETボトルのリサイクル量も減少が続く
プラ製容器包装は引き続き順調な伸び
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法に基づくPETボトルのリサイクル(再商品化)数量が一段と縮小してきた。反面、プラスチック製容器包装は順調な伸びが続いている。同じ樹脂製容器包装であるにもかかわらず相反する様相を呈しているわけで、リサイクルに取り組む市町村の姿勢の違いが改めて浮き彫りされるかたちとなっている。
 
 国のリサイクル指定法人である日本容器包装リサイクル協会の集計によると、同協会の委託による2月のPETボトルのリサイクル数量は9,133トンで、前年同月の実績を11.6%下回った。前月に対しても9.5%減となっている。月間リサイクル量が1万トンの大台を割り込んだのは04年1月いらい23ヶ月ぶり。これで前年同月割れは7ヵ月連続となった。
 この要因は、家庭から分別収集したPETボトルを日本容器包装リサイクル協会に引き渡さずに海外に売却する市町村が増えてきたことにある。このあおりを特に大きく受けているのは、同ボトルを化学的手法でボトル原料に還元するいわゆるボトルtoボトルシステムの量産体制を構築していた大手リサイクル事業者である。突如表面化した深刻な原料不足によって操業停止に追い込まれたところもあり、このため2月のボトルtoボトルの実績は前年同月の1,776トンのわずか3.9%の70トンまで縮小している。最盛期の04年9月には3,243トンを記録したことが信じられないほどの落ち込みである。昨年4月からの累計は1万2,054トンで前年同期を45.5%下回っている。

 一方のプラスチック製容器包装の2月のリサイクル数量は2万7,596トンで、前年同月を14.4%上回っている。4月からの累計は31万8,304トンで前年同期を13.5%上回っている。PETボトルの場合と異なり市町村からの引き取り量が順調に拡大していることによるところが大きい。
 リサイクル手法の中では、プラスチック製品へのマテリアルリサイクルが大きく伸びている点が注目される。2月の実績は7,238トンで、前年同月を61.0%上回っている。4月からの累計は7万9,450トンで前年同期の56.9%増となっている。