2006年04月18日
横浜ゴムが蘇州市にトラック・バス用タイヤ工場
2007年10月から生産へ 年35万本
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:東洋ゴム、ブリヂストン、横浜ゴム

 横浜ゴムは17日、江蘇省蘇州市にトラック・バス用タイヤの新工場を建設、2007年10月から年35万本規模で生産を開始すると発表した。設備投資額は95億円、従業員約500人。全額出資の蘇州横浜輪胎有限公司が運営する。

 同社の中国工場は杭州市の乗用車用タイヤ(年産150万本、06年中に200万本に増強)生産に次いで2番目。中国での日本のタイヤメーカーの生産は、ブリヂストンが天津市に乗用車用タイヤ(日産1万4,000本)、無錫市に同(8,000本)、瀋陽市にトラック・バス用タイヤ(3,000本)の工場を操業中、さらに恵州市(広東)に同(6,000本)の工場を建設している。完成は2009年を予定。

 住友ゴムは常熟市(日産9,000本)で乗用車用タイヤを生産。東洋ゴムは昆山市(江蘇)で合弁会社により乗用車用、トラック・バス用(小型用を含む)タイヤ、年産540万本とアモイ市でトラック・バス用タイヤ年産75万本設備を操業している。

 中国では中国ゴム工業会のデータによると、04年のタイヤ生産は対前年比19%も増え2億3,000万本(うち乗用車用2億本)を超えた。05年はさらに同21%増を示した。

 これは中国の自動車生産が急速に伸び、タイヤ需要も活発化しているためで、世界のタイヤ大手10社のうち9社が競って工場の新増設を進めている。仏タイヤ大手のミシュランが瀋陽の合弁工場の生産能力を4倍増やし、上海も世界のモデル工場にするとしたほか、米タイヤ大手のグットイヤーも年産200万本を525万本に増やすとしている。

 中国のタイヤ生産は、現在、約500社が行っているが、このうち300社が山東省に集中しており、しかも70%が年産50万本以下の小規模工場で占められているという。業界全体の技術、競争力が世界に遅れているわけで、とくにラジアルタイヤの生産体制確立が課題とされている。