2006年05月23日
「コンビナート高度統合 喫緊の課題」伊丹研究会報告
【カテゴリー】:行政/団体(経営)
【関連企業・団体】:なし

 石油精製と石油化学が連携・統合し、コンビナートの国際競争力強化を目指そうと、05年夏経産省内に発足した「コンビナート高度統合研究会」(伊丹敬之・一橋大学教授を委員長に産官学の委員14氏で構成)は23日、検討結果をまとめた報告内容を発表した。
 
 記者会見した伊丹委員長は「海外の工場も訪ねて日本のコンビナートが抱えている課題や今後のあり方などを整理してみた。日本のコンビナートは原料調達や利用、コスト競争力など、いくつかの点で弱みをもっている。しかし、こうした弱みは克服すればいいわけで、逆の見方をすれば将来の強みにもなる」などと感想を述べた。
 
 報告書はB4判118ページ。「石油・石化産業の現状とコンビナート統合の意義」「コンビナート連携・統合の形態のあり方」「内外コンビナートの競争力比較」など6章で構成。
 
 「コンビナートが連携・統合をはかることで原料の有効利用、中間品やエネルギーの相互融通、コスト削減と付加価値生産性の向上等を通じ、問題解決と競争力強化を同時達成していくことが喫緊の課題である」と、一貫して強調している。 

 「コンビナートの課題」としては、
<石油精製>
・中国等アジア地域のエネルギー需要が急増する一方、原油価格が高騰し、円滑な供給の困難な局面が懸念
・原油の重質化に対応した輸送用燃料の確保が困難
<石油化学>
・原料ナフサの需給タイト化、調達コストの上昇
・中東、アジア地域では大型の新鋭エチレンクラッカー等のコンビナート設備が続々と完成していくなど競争環境が激化、などを挙げた。

 また<日本の弱み>として
・コンビナートの構成企業が統合されていない
・コンビナートが全国各地に分散し、小規模
・原料多様化が不十分、などの点を指摘している。

 報告書はさらに、コンビナート統合の実現に向けた「提言」として、以下の7項目を挙げている。

(1)アクションプログラムの策定
(2)技術課題の研究開発
(3)広域的パイプラインの敷設・整備
(4)社会的規制の最小化
(5)運営・組織形態制度の改善
(6)人材育成
(7)総合的な行政支援体制