2006年06月05日
煙台市、石油化学、冶金、バイオに重点
機械、IT電子、食品、ゴールド加工に次ぎ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 山東省煙台市は6月1日、横浜で日系企業を招くための投資環境セミナーを開いた。
 孫永春市長は「市は中国14の開放都市の一つで、自動車、コンピュータ、携帯電話などの産業が発展している。日系はトヨタ、三菱マテリアル、伊藤忠など330社が進出した。約1,000人が滞在。インフラ整備もほぼ完了した。今後も横浜との合作を期待したい」と語った。

 また、李淑芹副市長は「自動車、造船などの機械やIT電子、食品、金加工といったこれまでの4大産業に加え、石油化学、冶金、バイオに力を入れて行きたい。物流やサービスなどの産業も発展する」と重点方針を述べた。

 煙台市は山東半島の中央北部に位置し、対岸に大連市、東に黄海、南は青島市と隣接している。面積1万3,746平方キロ(うち市区2,644平方キロ)、人口647万人(うち市区168万人)。福山区、芝罘(四の下に不)区、莱山区、牟平区の4区と龍口市など7市(莱陽、莱州、蓬莱、招遠、栖霞、海陽)、さらに長島県を管轄している。

 05年のGDPは250ドル、一人当たりGDP3,838ドル(対前年比17.6%増)、ジェトロから最も安全な都市の一つに選ばれた。貿易総額約115億ドル、うち輸出65億ドル。機械・電子34.9%、ハイテク製品15.9%、繊維・衣料16.6%など。

 05年末までに世界70余の国・地域から1万22件の投資が行われた。世界大手500社のうち53社が投資している。日系は三菱マテリアル、伊藤忠、豊田通商、アサヒビール、デンソー、矢崎、イバラ、厚木、ホンダトレーデング、旭化成、双日、出光興産、日立化成、日清製粉、大豊工業、光生アルミ、ニチレイ、三井物産、富士テクニカなど。

 日系以外では韓国のLG、現代、SK、斗山、米国のGM、デルフォイ、CSX、TMKEN、オランダのフィリップス、フランスのELF,トータル、ドイツのGB,HUFF,台湾のFOXCONN、香港の華潤、新世界、中銀など。シンガポール、フィリピンからも進出している。

 高速道路は黒龍江同江から海南省三亜までの同三高速道路をはじめ4本、鉄道も主要幹線に繋がっているほか、今年10月に煙台—大連間の鉄道フェリーが完成する。埠頭10カ所(うち4ヶ所は1類開放港)、バース34カ所(うち25カ所は1万トン級以上)がある。

 中国最大規模の牟氏荘園、4大名楼の一つ蓬莱閣(8仙人・徐福の故郷)、道教発祥の地・仙山文祖などがあり、観光の名所。鉱物(金、マグネサイト、モリブデンなど)、海産物、果物(りんご、なし、ぶどうなど)、農産物が豊富。金は生産量で全国の4分の1、埋蔵量で5分の1を占める。張祐ワインもブランド品として有名だ。

 教育機関は煙台大、煙台魯東大など7校と専門学校95校、科学では国立研究機関が48、国立技術センターが19ヶ所と多い。市はアジア・太平洋経済貿易の中心地で、これまでにAPEC国際会議が4回。99年から始まった国際食品・青果博覧会が毎年9月23日から4日間わたって開かれる。

 産業開発区は国家クラスの煙台経済技術開発区(228平方キロ、首鋼電装など外資580社)と煙台輸出加工区(3平方キロ、ケーブルシステムなど67社)。隣接した福山高新区には自動車部品を重点とした機械製造業と電子産業がある。このほか区、市に9区ある。

 同開発区ではGM社を中心とした自動車産業が総合的に発展しているほか、造船、デジタル工作機械、建設機械、電気機器などの産業が活動している。市の発電容量は856万キロワット。給水1日20万立方メートル。

 市では開発区には、インフラが完備、コストが安く、労働力が豊富で質が高い、住みやすく、日本語のサービスが十分にできるというメリットがあるとしている。

 ワイヤーファーネスや電子部品、光ファイバー、エアコンなどを生産する矢崎総業は「煙台を選んだのは国際港、国際空港があり、市政府のサービスが徹底していることと気候、学校、人件費、労働力の質的な面が高いなどで要件を満たしていたこと、それにインフラがよく、土地、建物の賃貸料が安かったこと」をあげた。

 今回の説明会で市は当面の開発対象として9つのプロジェクトをあげ、参加を呼びかけた。まず、西港区プロジェクト。30万トン級(1億7,000万ドル)および10万トン級の石油製品埠頭各1基、3万トン級の液体加工埠頭(8,700万ドル)と15万トン・7万トン級雑貨用埠頭などを2010年までに完成する。

 次いで三突堤コンテナ埠頭。05年に60万標準コンテナ輸出能力を、10年までに300万標準コンテナに拡充する。資金3億1,700万ドル。芝罘湾港に建設する。

 また、莱陽経済開発区350平方キロに自動車タウンを建設する。各種自動車部品、SUVジープ、マイクロトラック、将来はクロスカントリカー1,000台の生産を予定。投資額4,338ドル。合資、合作を望んでいる。

 福山ハイテック産業区に福山自動車部品工場を建設する。7平方キロの用地で備品の生産と組み立てを行う。4億2,000万ドルを投資。自動車より早く部品産業が国際マーケットに進出できると見ている。

 08年完成をめどに蓬莱万寿機械が蓬莱市に年1万5,000アクスルハウジングを生産する自動車シャシー工場を建設。資金6,500ドル。

 煙台首都東星グループが30万平方メートルの団地に自動車エアコンシステム、結晶器、自動車部品,硬質合金などの生産設備を建設。資金1億2,500万ドル。

 これらのほかにスチールラジアルタイヤの生産拡充、アルミダイカスト、都市交通システム(ITS)、ポリウレタン、合成皮革、塩素塩基、植物性アルコールの生産などのプロジェクトがある。

 李副市長のいう石油化学の発展性は、蓬莱市で渤海油田の45億トンの原油が探査されたことや天然ガス資源をもとに、石油化学基地を建設省しようとするもので、10‐20平方キロの用地が確保されている。
問い合わせは中国煙台駐日本商務代表所(TEL:06−4791−2006)