2006年06月12日
江蘇・南通市が石油化学など産業投資説明会
長江を渡る蘇通長江大橋が07年末に完成
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成、伊藤忠商事、クレハ、住友商事、大日本インキ化学工業、帝人、東芝、東レ、富士通、三井物産、三菱レイヨン

 沿海対外開放14都市の一つである江蘇省の南通市が8日、都内で投資環境説明会を開いた。黄建東・市委員会副委員長、南通経済技術開発区管理委員会の陳徳新・委員会主任ら幹部29氏が出席、港湾、石油化学の如東県などの現況と計画を説明した。

 市は中国東部の黄海と長江北側の沿岸地区にあり、上海から90キロ、面積8,001平方キロ、人口771万人。管轄する6県(市)3区の中に国家クラスの経済技術開発区や10カ所の省クラス開発区がある。ここ数年来、年間10%ていど経済が成長、05年のGDPが1,479億元(一人当たりGDP1万9,979元)に達した。輸出入額85.2億ドル。

 全国の都市中、経済力で第13位、外資誘致上位15都市の一つ。江蘇省の第3位(15億3,000万ドル)となっている。産業は繊維をはじめ機械、電子、化学、医薬品、建築材、電力、船舶、冶金などが集約されている。

 とくに90年代に黄浦江を渡る3つの大橋と2つのトンネルが開通したのに続いて、07年末までに「蘇通長江大橋」(全町32キロ)など3つの大橋が完成、長江デルタ地域が1時間の交通圏となる。

 電力は発電容量270万キロワット、まだ20%ほどの余力がある。主力は石炭火力だがLNG、風力発電も増やす。こんご400万キロワット増強する計画。水は十分にある。質の高い人材が豊富。給与は技術工月800元、管理職1,200元ていど。

 また、南通港は中国10大港湾の一つで、長江沿岸線が226キロ、黄海が203キロに及ぶ。南通港の貨物取扱量は8,372、昨年4月から10万−20万トンクラスの深水港・洋口港が建設されている。エネルギー、金属、石油化学などの産業の進出が予定されている。

 南通市に進出した日系企業は05年末までに711社(外資全体で米ダウケミカルなど1,000社余)、王子製紙、富士通、大日本インキ化学、東レ、帝人、三菱レイヨン、旭化成、ポリプラスチックス、クレハ、日立金属、東芝、JFEスチール、三菱重工業、新日本製鉄、三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅、兼松などである。治安がよく住環境もよいという。

 市の管轄下にある如東県(市の西側に隣接)では洋口港経済開発区(135平方キロ)と臨港新都市(17平方キロ)の建設を目指している。1万トンから25万トンの停泊所62基と30万トンタンカー係留所1基などを建設石油・石油化学基地や鉄道、高速道路などを整える。

 石油化学では300億元を投じ、4.2平方キロの敷地に1,000万トンの石油精製とエチレン100万トンの石油化学設備を建設する。技術、資金などに日本の協力をお願いしたいとしている。
 問い合わせは国際貿易促進協会(TEL:03−3506−8281)