2006年06月12日
中国中小企業政策をめぐるシンポジウム
課題は「取引の適正化」 代金回収の実態
【カテゴリー】:行政/団体(海外)
【関連企業・団体】:なし

 中小企業基盤整備機構(中小機構)と日中経済協会は9日、都内で05年版・中国中小企業白書を作成した陳乃醒・中国社会科学院中小企業研究センター主任・博士を招き、中国中小企業政策シンポジウムを開いた。問い合わせは中小機構(TEL:03−5470−2375)

 同シンポジウムには中国改革発展委員会の「中国の中小企業の発展と予測 2004‐05」(白書)を翻訳した駒形哲哉・慶大助教授や田中茂明・経産省北東アジア課長、花木出・中小企業庁調査室長、上野保・東成エレクトロビーム社長らが参加した。

 中国の中小企業は製造に関わる工業部門の99%、生産額の70%を占め、経済の発展を支える重要な役割を担っている。このため発展改革委は98年に中小企業司を設け、非国有企業の活性化策を打ち出した。

 03年には発展を促す中小企業促進法を施行、昨年2月に「個人、私営などの非公有制経済の発展を奨励、支持、導くことに関する見解」を発表、中小企業の振興に力を入れることを明らかにした。

 05年の白書は中小企業政策や会計制度、財産権制度、民営経済のさまざまな管理のあり方、産業構造、技術開発などを捕らえている。

 陳主任は改革開放以来、中国は(1)投資経営者が続出した(2)マクロとミクロ両面の革新相乗効果で、中小企業は調和ある発展を遂げている(3)サービスシステムの確立、国際化の加速は、新たな発展の市場を提供している(4)農工民の流動の合法化が、発展のための労働力資源を提供している、など10項目を経験として積み上げたとしている。

 また、問題点として、マクロ管理の不調和(地方と大都市)、人材資源が先進地域に流入する矛盾、低価格のみで国際市場に参入する弱みーを指摘している。

 対策としては、国務院直属の中小企業管理機構を創設する、中西部経済の発展を加速させる、東・中・西部の現状を踏まえて区別分類指導を実施する、発展計画を制定する、人材育成に取り組むーなど。

 とくに区別分類指導で、東部は産業構造の調整、中西部は環境改善の優先、国際市場の開拓、特許などの知的財産権とブランド品の創出、株式制企業を発展させるーなどを急ぐべきだとしている。加えて資金供与や「だますのは違法行為」という考え方の修正を上げた。

 田中・北東アジア課長は「中華系企業を顧客とする中間財の取引では、回収不能金額が日系大企業で13%、中小企業で27%」と代金回収の実態を説明、取引適正化の重要性を強調した。日本の不渡手形銀行処分制度に相当する制度の導入が必要としている。

 駒形・慶大助教授は、補完と共存共栄の意識が大切とし、「中国の中小企業は相互の信用関係がまだあまりない。条例を知らないことが多い。法とインフラ、環境の整備を急ぐべきだ。当面、信用できるパートナーを増やすのがいいと思う」と語った。